創製記
▼▼過去の話をしようと言葉にすると画一的、類型的になるところがあるかなあ、って少し思った。してしまっていることが多い気がした。振り返って「あの頃」ことを解釈して話そうとしている時、同じような言葉を使ってしまっていることが多い気がした。 ▼▼「幸…
▼▼歌詞を素直に見ていると、おおきめの主語を使ったうえで、しかも、断言的に語ってしまっている、ことが、けっこう多い印象があるのだけど、なんとなく許されている(見逃されている)ところが(ほかの言説と比較すると)ある気があって(っていうか「言説…
▼▼ぱっと見、現象としては近似しているので、比喩として扱った時に「同系統の比喩として使ってしまっている」ことがあるけれど、実際の物理現象としては、中身がかなり違う、挙動がだいぶ違う、ぜんぜん違う反応である、ということがあって、このあたり、細…
▼▼括弧書きを使うと、人格を、二人出せる、というか、ツッコミ役を出せる。このことによる「文章の判りやすさ」的効果がある、とも思う。 ▼▼対話、会話、による文章の判りやすさ、というのがある気がしているのだけど──だからこそ、初心者向けの書物で対話や…
▼▼新技術が新世代の意識を変えていく風情を、時々、見かける。というのと同様に、原始時代、縄文時代、奈良時代、戦国時代、江戸時代、古代ローマ、古代ギリシア、ルネサンス、三国時代、西部開拓時代、といったところ、つまり時間と場所、環境によって、意…
▼▼異世界転生で「意識を失って、はっと気づいたら、異世界の子供、あるいは少年や青年として、目覚めた」といった転生が行なわれていることがあるけれど、こういう時、前の人格というか、もともとあった「自我」や「私」を、消したのだ、殺したのだ、と認識…
▼▼物語に対して、いやいやいや、一歩間違ってたら完全に最悪だったじゃん! というか、もうぜんぜん「物語が始まらない」状況にすらなってたじゃん……、と思うことが頻繁にあるので(気になる癖がついていて)、初手で事故って躓いてしまい、もしも「別ルート…
▼▼小説で世界を感じながら――ドラマや演劇で世界を感じながら――漫画やアニメーションで世界を感じながら、そして、帰り際にふと目を上げて、お、じぶんのまわりには相変わらず世界があるじゃん、と思いながら、人に手によって語られた物語とかって、この「実…
▼▼小学生の頃にファンタジー小説を読み始めた。当時は単純に「ファンタジー小説」と呼んでいたかと思うのだけど、昨今だとライトノベルと呼ぶようになった。ライトノベルという呼びかたを聞くようになったのは大学生くらいの頃かな。ファンタジー小説、とい…
▼▼ライトノベル/児童文学/ジュブナイル/ヤングアダルト、というようなジャンルにおける「線引きの難しさ」の話というのがあって(あと、純文学とかエンターテインメントあたりの線引きの話もあるけど)、わりと楽しく聞いていたりもするんだけど、特に興…
▼▼異能を獲得した瞬間の最初の戦闘や、伝説の戦闘ロボットに搭乗した場面、などを空想してみた時に、最も強く引っ掛かりを覚えてしまうのが、なんだか判らないけど、使いかたが――戦いかたが、わかるぞ!(頭の中に流れ込んでくる!)(いきなり使える、いき…
▼▼常套句や慣用句を取り出してくることに躰を慣れさせてしまっているせいで――適合率に多少の違和を覚えていても、多少合ってれば、無理矢理嵌めてしまうことに、なんとなく慣れてしまっているせいで――聞き慣れた「よくある言いかた」を排除し、しっくりくる…
▼▼アトランダムに選ばれた三つのお題をぜんぶ組み込んでみせましょう、というような精神のもとで、小噺を作る「三題噺」という手口があるけれど、アトランダムな選択ではなくて、考え抜いて選び抜いた三つのお題を織り交ぜて三題噺を書き切ろう、といった手…
▼▼決まり文句によって、頭が止まりやすくなってしまったり、意味が死にやすくなってしまったりするのは、わりとマジっぽいな……、とは、けっこう強く思っている。決まり文句や常套句、慣用句は、極力避けたほうがよい、という文章指南があるけれど、だからけ…
▼▼完璧なアイデアが神懸かり的に降りてくるのを待ってるよりは、とにかく頭と手を動かして百個アイデアを出して、ブラッシュアップなりなんなりしていったほうがよい、という行動指針がある。絶対的なよさを待ってるよりは相対的なよさを積み上げていったほ…
▼▼文章を書く時の指南として「音読して読みやすいほうがよいよ」というのがあるかと思う。時々は聞く。 ▼▼ほかの要素を排除し、要素還元的に、理論の実証実験を行いましょう、ということを試してみたくはなるので、実際に音読した時にとにかく滅法読みやすい…
▼▼適切に「人生あるある」を衝いている格言にも隙がある、ということを、ここ数日は考えていたのだけど、とはいえ物により隙のおおきさは違うか……、って思って、でもまあ、隙のおおきさの違い、適切さの違い、っていうのはつまり「状況の限定しかた」の違い…
▼▼強靱な答え、のようなものを思いついても、けっこうすぐに、腐る。言葉はずっと同じ位置に置いておくと、動かないよう固定してしまうと、あっさり濁っていってしまう印象だ。動き続けてない言葉は死ぬ、というか、動かし続けていないと腐食する。意味の煌…
▼▼文章を書くと、その文章によって、世界の一部が、その文章が示す現象が、ぼんやり浮かび上がる、あるいは、マルで囲われる、というなイメージがあって、でも、その範囲って、だいたい、ちょっとだけズレている、若干はみ出しているところがある、という印…
▼▼豊潤な作品が内包する、さまざまな煌めきに、気づけるようになること――気づける範囲が拡大していくこと。 ▼▼と。 ▼▼素敵な作品が心の中に残してくれる輝きが――輝きと同質のものが、ほかの作品の中にも見られることに、気づけるようになること。 ▼▼芸術的な…
▼▼標準的な手順、基礎的な知識、に従いながら形成すれば、素敵な「快」を放出させることができる、という芸術的テンプレートがあるかと思う。初心者の頃に学ぶ「基本的鑑賞法」も、これに近いものになるだろう。 ▼▼でも、違う形でも、同じ「快」を放出させる…
▼▼歌詞、を思いつこうとしたら、楽曲に制限を受ける。曲の上に乗せられる言葉を選出してゆく。短歌や俳句や川柳による文字数制限などでも同じだろう。気ままには言葉を選択できない状況が出来る。▼▼っていうの、素敵だなー、って気づいた。 ▼▼じぶんが出せる…
▼▼短歌熱が最近また高まっていて、今回の熱意は人様の影響を受けてのものじゃ(あんまり)ないから、よりよい?雰囲気は、まあある。 ▼▼ちょっと前に、人様の影響を受けて短歌に興味を持って、いろいろと試行錯誤を行なう場面があったのだけど、その後少し熱…
▼▼冗長だ、無駄だ、だから削ってしまおう、的な文章の推敲を時々見かける。じぶんが持つ「聞き慣れない珍しくて小難しい言葉を使うのが好き」っていう嗜好と、前述したような推敲の指針「削る」は、別に対立しないのでは、と改めて気づいた。初めて気づいた…
▼▼経験を重ねることで「無いところ」が見えてくる。引き算的美しさが判ってくる分水嶺というのがある。判るまでは足し算的美しさを検討することが多くなる。まあ、ほかの領域で引き算的美しさがあることを学んでいれば、比較的早い段階で、引き算的美しさと…
▼▼難解な言い回しによる読みづらさの話、と、論理や構成がうまく出来てて読みやすさの話、は別物か、と思い直した。前者は読みやすさ、後者は判りやすさ、の話だ、というふうにも言えると思う。▼▼変に凝った言い回しを使うことで衒学的になることの難点の話…
▼▼言葉が生まれる時。呼び名が生まれる時。何かが名付けられる時。 ▼▼ある一つの言葉が、ある種のものたちを呼ぶ言葉になっていく、のと、複数の単語が、ある種のものたちを呼ぶための言葉として組み合わせられる、のは、意識の動きとしてやはり違うのか……、…
▼▼時事ネタは風化する。だから、物語にはあまり混ぜたりしないほうがよい(まあでも使いかた次第だけどねー)、というような助言が、時々ある。創作に対する助言として見かけることがある。 ▼▼日記というものも「創作物」として見ているところがあるため、創…
▼▼日記に掛ける形容としては静謐が最も好きだ。日記に静謐さを求めている、というふうにも言えるかと思う。言葉の選びかたに静謐を感じること――思考プロセスに静謐を感じること――文章の向こう側に見える景色に静謐を感じること、などなど、静謐さが匂う位置…
▼▼芸術、芸術作品に関して、人間の文化や社会、人生や生理、を背景にした意味、というのと、物理的な現象、技術としての意味、というのがあるのかな、と思った。その芸術の存在によって人間の文化や社会のどのあたりが特質化させられているか、というのと、…