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『さよならの言い方なんて知らない』第8巻(河野裕/新潮文庫NEX) www.shinchobunko-nex.jp 『さよならの言い方なんて知らない』の新刊8巻を読んだ。ほんっとうにおもしろい。強調したい。ずっと好きだ。5巻くらいの時点で、オールタイムベスト級に好きなシ…
読み手を疲れさせない やわらかくて、静かで、崩れやすく、ささやかな言葉のニュアンスは、たしかにある。文章指南で、「読みやすいよう無駄なところはどんどん削っちゃいましょう」とかアドバイスされることもあるが、その"削り"が、かすかなニュアンスを潰…
▼▼誰かが発した言葉──発言、には、次の言葉を予測させる作用もある、ということを思った。予告効果があるはずだ。次回につながる理路も脈絡も想像は可能だろう。発言から逆算的に思想というものを推理し、思想から次の発言を改めて推理する切り口もある。 ▼▼…
▼▼テレビゲーム的なシステムを持った世界で生きることになった、という小説を最近いくつか読んだ。好きである。テレビゲーム的なものが現実に実際にあるとするなら、というふうに空間を設定してみた時に、その世界の挙動を形作っている「テレビゲーム的なシ…
▼▼物事に対する評価を考えた時に、最中の感覚と事後の感覚――リアルタイムにおける気持ちと改めて思い返した時の気持ち、が、混ざってしまうことがある――混ざってしまうことも、ある。頭から取り出してみたらぐちゃぐちゃに混ぜ合わせられてしまっていて分別…
▼▼誤った一般化が「頭脳のミス」の、主な原因である――メインテーマだ、みたいなところがあるかと思った。▼▼誤った一般化と妥当な一般化を線引きしてみせることは可能なのか? という哲学関連の問いがあって、比較的好きだ。
▼▼こう考えたほうが気が楽、こう思っておいたほうが妥当で順当、こういう生きかたのほうが安心、というような、明らかにこっちの選択のほうが(人間にとって? あなたにとって? わたしにとって?)よさそうですけど……、というような範囲のものがあると思う…
▼▼じぶんの駄目なところ──脆弱性を、すっかりくつがえそうとしても、まあ、おおむねうまくいかないものだろう、という認識がある。駄目なところを撲滅し切るようなことは無謀/無茶/無理だ、という考えだ。醜さや弱さをぜんぶ克服してみせて綺麗どころばか…
▼▼一見何の特徴もなく普通や平凡に見えたけど実はそうじゃなかった。 ▼▼渋さや苦さがキツくクセがあって苦手だったものが次第によいものだと思えてきた。 ▼▼昔はよさが判らなかったんだよねー、って言えることについて、前述二つをだいぶ混同しているようだ…
▼▼人に読まれる可能性がある、くらいの緊張感がないと飽きちゃう──ダレちゃう、とかは意識の背景として感じてそうで、自覚もなく聞こえのよい言葉使って見栄張って「公からのアクセスが可能な場に置かれた、開かれた言葉が、好き」とか思ってるところあるけ…