電車で日記
電車内でスマートフォンを使って日記を書くのに挑戦している。一時間弱があっという間だ。ビックリする。重量級ボードゲームに挑んだときくらい集中力が炸裂しているなあと思う。頭脳がフル回転しているとやはり時間の加速が著しい。それくらい文章を書くのって楽しいんだなとはあらためて感じた。気がつけばまわりが見えないくらいに夢中だ。言葉の意味のやりとりに埋没している。スマートフォンで文章を書くことにもかなり慣れた。気持ちとしてはPCと遜色ない。多少スピードは落ちるかなと思うが。電子書籍も最近だいぶ抵抗なく読めるようになったけど関係あるのかなとは思う。たぶんないけど。取り扱う道具が同じだけで別のアクションだろう。スマホで文章を書くことに慣れる前は、画面が小さいせいで文意を掴んでおける範囲が狭くなりそう、とか思っていた。頭に残せる文脈の幅が狭くなりそうというか。文章が流れていく過去も未来も見通し悪くなりそうというか。なんだかんだそうでもなかった感じである。環境に慣れてないから認知および理解に余計なメモリが奪われたのだ、そのせいで無駄なラグが発生していたのだ、って感じだったのかな。
聞きかじり異世界描写
たいして知りもしないものについて、聞きかじったくらいの知識を用いて、知ったかぶり的に話をすると、聞くに堪えない話になりがちだ。余程うまくやらないとアラが目立つ。ひとつの事物をまるごとしっかり捏造してみせるくらいの情報量や想像力がないと中身がスカスカなのがバレるよ、と言ってもよい。ときどき、なんとなく描きかたに違和感があって読めないぞ、って感覚に陥る小説に出くわすのだけど、理由のひとつにこういったパターンがありそうだなと思った。社会や組織、文化、事件、歴史、あるいは人間関係、もしくは魔法、技能、道具など、その世界にだけ実際にあるなにかしらを描くにあたって、あなたぜんぜんそれのことわかってないじゃん、って言いたくなってしまうような、妙にハリボテ感の漂う文章を、ときどき見かける。
最近だと異世界転生物を読んだときに違和感を覚えることがあるかな。特に「スキル」「ステータス」「転生」あたりが出てくるシーンに感じがちだ。あと「冒険者」とか「冒険者ギルド」とかもそう。なんというか、このあたりに関わる話は、"たいして知りもしないものについて、聞きかじっただけの知識を使って、知ったかぶって話している"度が、極端に高くなってしまうんだと思う。「スキル」も「ステータス」も「転生」も「冒険者」も当然"実在しない"。誰も経験していない。だからまあ、誰にとっても「たいして知らないもの」なのは間違いないわけで、そんなものを浅はかに伝えてしまったら、そりゃあスカスカな手触りになるわ、とは思った。ハリボテ感の際立つ話になって当然だと思った。そしてまあ、そういったものに対して、変な隙間や矛盾がないよう自分なりに緻密な理屈を編んでみせようとする書き手と、どこかでなんとなく聞いたことのあるような話ばかり使って無邪気に説明する書き手の、説得力の差は、激しいんだろう。