世界は称賛に値する

日記を書きます

ありうる重層3/16木

可能性の層

“ホラ吹き”や”口先三寸”ってことでもないけれど、軽口やらジョークやらを織り交ぜて、「テキトーなこと言うやん」とツッコまれるような文章をむしろ書きたい気がする、とちょっと思った。しゃれっ気や軽妙さを求めた感じだろう。変に形式的で格式張った情報記事を読むことがあって、つまんな、と思ったことの反動だとは思う。そもそもあれは情報をシンプルにしようと削りすぎて「読みづらい」「下手」と言えるレベルまで文章の質が落ちていた気もするのだけど、まあ区別は微妙だ。

とはいえ最近は、無駄な単語を削ぎ落とす大切さもかなり理解できるようになってきたため、あれくらい攻めるのが重要なのかもな~、とも思わなくはない。冗長よりはマシ、という判断もわかるようにはなった。とか言いつつ最近またすっかり忘れていたけど。

漫才のボケくらいしっかり「思ってるんだか思ってないんだかわからん」を織り交ぜていきたいという気持ちではある。が、そういうのってツッコミがいるから成立するんだという問題もあるからなあ。調整は難しい。放言や空言で惑わせたいとか騙したいとかではまったくないし。

ちなみに、テキトーこいたことを書いて文章をおもしろくする、という切り口において、あんまり自覚ないけど普段から活用しているのが、「~だろう」「~らしい」「~ようだ」「~かもしれない」といった言葉たちになるのかなとは思った。こちらのほうにも道は拓けているようなのでいちおう触れておきますね、といった言葉で空間を拡げていくというか。断言するとウソになるが、推測や伝聞、可能性ならウソにはならない。こういう層までうまく重ねることで文章により厚みが出せる、面白味も出る、という次第だ。

着飾る失敗例3/15水

アニメ化

まんがや小説などがテレビアニメ化されたけど出来がよくなかった話も、まあ見かける。好きじゃない話題だなとは思う。好きじゃないというか、シンプルに悲しい感じになるので、あんまりそういうことがないとよいなと思っている。粗製乱造じゃないけど、放映数と、制作会社数と、アニメ業界の環境や待遇の厳しさを考えたら、よいアニメ化ばかりじゃなくなるのも当然だとは思うので、なんとも言いがたいところではある。よいアニメばかりになればいいのに、と安易に言うのもはばかられる。

ぼく個人のオールタイムベストのひとつに「魔術士オーフェンシリーズ」があり、いままさに、あらためてのアニメ化がなされいるのだけど、出来についてはよいとばかり言い切れない空気がただよっている。作品にスポットライトが当てられたこと自体は非常に嬉しいのだけど(特に好きな第二部に改めて触れられるのはとても嬉しかったし)、やや無念な気持ちにはなった。再アニメ化の報を聞いたときはワクワクしたけど、怖さもあったしな~。なんでもかんでもうまくはいかないものだ。

アニメってピンからキリまでありすぎて、出来栄えに関する平均的な感覚がいまだによくわからない印象はある。名作ばっかり触れて、あるいは駄作ばっかり観て、この分野ってこれくらいが”普通”なんだ~、って思ってしまうのはどちらも怖いと思うのだけど、逆にまったくそういうふうに思えないというか、なんかずっとふわふわしている。極めてすごい作品があると思えば、その横に異様なほど出来の崩れた作品があったりもするので、結果として、なんか、見通しづらい。予測しづらい。

真似る進行形3/14火

口癖

発話の冒頭に「××じゃないけど」をつけるのが最近ちょっと口癖になっている。「”騙す”じゃないけど、よく思われたくてこういった言いかたをしちゃうことはあるよね~」「”ホワイトノイズ”じゃないですけど、完全な無音よりはほどよいノイズがあったほうが集中しやすいとか言いますし~」みたいな使いかただ。冒頭部で、いまから話そうとすることに関する近しい概念に軽く触れておくことで、ニュアンスを事前連絡するというか、時には少しバイアスを調整しようとするというか、そんな手法である。

明白に同じ職場のひとから移った。真似てしまっていることって昔から多い。感染しやすいほうである。口癖ってけっこう「便利で多用しやすい」ものとして用いられているから、たしかに使いやすいじゃん、と無意識に感じて、コピーしてしまうのだと思う。

昔は単語レベルでのコピーも多かったが、最近は減った。口癖が移った、と感じることが減ったのはそのせいもあるなと思った。流石に見慣れない単語は減ってきた。知らない単語、知らない言い回し、に遭遇して、おもしろい言葉だな~、と感じたときにコピーしちゃってたケースも多かった気がする。

雪解け最終回3/13月

これは、平凡な人生をもう1度やり直す平凡な女性のお話。 地元の市役所で働く実家住まいの独身女性、近藤麻美33歳。 彼女はある日突然、人生をゼロからやり直すことになる。 気がつくと、そこは産婦人科のベッドの上。目の前には若き日の父と母。 近藤麻美の2周目の人生が今はじまった。

バカリズムが壮大なスケールを持て余し、 不思議な日常を描く、地元系タイムリープヒューマンコメディー。

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テレビドラマ『ブラッシュアップライフ』を最終回まで見終えた。安藤サクラ主演・バカリズム脚本の話題作だ。人間に生まれ変わるべく人生をやり直すタイムリープ系のストーリー。ド派手な事件が起きるわけでもなく(まったくないわけでもないが)、日常の中でのちょっとしたトラブルや人間関係にフォーカスを当てていくところが楽しいところだったと思う。地元系タイムリープヒューマンコメディという呼ばれかたを見かけて「なるほど」とは思った。放映途中から追い始めたのだけど、タイミング的に、ちょうど最終回に間に合うことになって、そこも楽しかった。リアルタイムで感想が追えるのはなんだかんだ楽しい。

第一話から張り巡らされていた細やかな描写がしっかり伏線になっていたようで、それらが結実し始めた第8話あたりでおもしろいと話題になっていたようである。ストーリーの背後でなにが動いているか・動いていたか、そして、小さな選択や大きな決意で人生がどう変わってくるか、といった面についてはほんとうに楽しめた。生まれ変わり、やり直せる、徳、といったシステム面の深掘りがもっと欲しかった、と思ってしまったりもしたものの、そういったところに重きをおこうとする作品でもないんだろう。生まれ変わりの可否や回数がどう決まるのとかは個人的に気になった。

実は裏ではしっかり設定はされており、なんなら設定資料集だって作れるよ、みたいな設計なのであれば興味はある。ただ、バカリズム氏の物語の作りかたってそういう感じではなさそうなんだよな~。いやでも、細かい設定はぜんぜん考えないって印象でもないかな~。些末なところにこそむしろツッコんでおこうみたいな精神は感じるし。設定部分まで踏み込みそうなイメージもある。ただ、「気分」「なんとなく」「流れ」「勢い」といった”ぜんぶがぜんぶ理論化されてると思うなよ”的な攻めかたも織り交ぜる印象もある、ので、あいまいな理由も使いながら世界を構築してそうだ。なんとなくそうなっただけ、今回はたまたまそうだった、とか、かなり多用しそう。

プロデューサーとして頑張る回が非常に楽しかった。「ブラッシュアップライフ」の回。タイムリープ物のストーリーを構築するならこういうふうにしてくれてもいいのにな~、とぼんやり思っていたところが、物語内であらためて言語化されていて、それくらいのことしっかり考えて作ってますよ、と言われた気持ちになった。そのうえでの”それはそれとして”の物語を成立させていて、流石だと思った。

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単独のオメガ3/12日

空中分解後

思いつきで書き始め、思うがまま長文を書き連ねていったあと、不意に、あ、これ、スタート時点から判断ミスってるなあ……、ってことに気づけて全ボツにすることがある。最初っから破綻してるのでひとさまに見せられたものではないってなったりする。正直なところこういうとき、めちゃくちゃ気持ちよい。最後の最後にしっかりした”閃き”やら”答え”やらが得られているので、満足感はあるし、ワクワクもする。まあそれをまた最初から書き直そうと思い始めると途端にめんどうくさくはなるけれど……。二度目の言語化だと、逆に、最初から”理解”できちゃっているので、極めて端的な文章でさっくり終わらせたくもなっちゃうし。

爪弾く水源地3/11土

ヴァンパイアハンターに優しいギャル

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第14回GA文庫大賞「銀賞」受賞作。ヴァンパイアハンターと女子高生、ふたりの出会いの物語。すべて殲滅したはずのヴァンパイアがなぜか襲ってくる問題と、女子高生として楽しく過ごす楽しさと難しさの問題を、ほどよく織り交ぜながら、琉花と銀華、ふたりの交流が描かれる。百合というよりはバディ物の風味だった。ふたりの名前に「花」「華」が入っているところはなんとなくよい。あと体験なのか取材なのかわからないがギャル知識が精緻っぽかった。

ただの女子高生・琉花の優しさが、かなり誠実なに描かれていて、しっかりしていたところが、とてもよかった。元ヴァンパイアハンターの女子高生・銀華もかなり素敵なキャラクターだったが、「学校に通いたい」「ヴァンパイアハンターとして戦ってきた」といったエピソードばかりが今回は主軸になっていたので、もっともっと深掘りしていける印象である。

最終戦での倒せない敵に対して「銀粉」を活かすアイデアはおもしろかったのだけど、そもそもそれが通用するなら(まあ所持してなかったので今回は意味があったが)対処は可能だったわけで、策としては甘かったんじゃないの、とは思った(脇の甘い戦術はあんまり好きではない)。それはそれとしてよかったのは、ラスボスとギャルの交流というか、落ち。続刊があるなら女子高生・琉花のそういった側面がどんどん光を拡げていってくれたらと思う。琉花の覚醒パターンもありそうではあって、そのあたりのあつかいで、物語の方向がかなり変わってきそう。琉花の血の問題もあるし。組織の問題も語られてないし。