世界は称賛に値する

日記を書きます

雪解け最終回3/13月

これは、平凡な人生をもう1度やり直す平凡な女性のお話。 地元の市役所で働く実家住まいの独身女性、近藤麻美33歳。 彼女はある日突然、人生をゼロからやり直すことになる。 気がつくと、そこは産婦人科のベッドの上。目の前には若き日の父と母。 近藤麻美の2周目の人生が今はじまった。

バカリズムが壮大なスケールを持て余し、 不思議な日常を描く、地元系タイムリープヒューマンコメディー。

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テレビドラマ『ブラッシュアップライフ』を最終回まで見終えた。安藤サクラ主演・バカリズム脚本の話題作だ。人間に生まれ変わるべく人生をやり直すタイムリープ系のストーリー。ド派手な事件が起きるわけでもなく(まったくないわけでもないが)、日常の中でのちょっとしたトラブルや人間関係にフォーカスを当てていくところが楽しいところだったと思う。地元系タイムリープヒューマンコメディという呼ばれかたを見かけて「なるほど」とは思った。放映途中から追い始めたのだけど、タイミング的に、ちょうど最終回に間に合うことになって、そこも楽しかった。リアルタイムで感想が追えるのはなんだかんだ楽しい。

第一話から張り巡らされていた細やかな描写がしっかり伏線になっていたようで、それらが結実し始めた第8話あたりでおもしろいと話題になっていたようである。ストーリーの背後でなにが動いているか・動いていたか、そして、小さな選択や大きな決意で人生がどう変わってくるか、といった面についてはほんとうに楽しめた。生まれ変わり、やり直せる、徳、といったシステム面の深掘りがもっと欲しかった、と思ってしまったりもしたものの、そういったところに重きをおこうとする作品でもないんだろう。生まれ変わりの可否や回数がどう決まるのとかは個人的に気になった。

実は裏ではしっかり設定はされており、なんなら設定資料集だって作れるよ、みたいな設計なのであれば興味はある。ただ、バカリズム氏の物語の作りかたってそういう感じではなさそうなんだよな~。いやでも、細かい設定はぜんぜん考えないって印象でもないかな~。些末なところにこそむしろツッコんでおこうみたいな精神は感じるし。設定部分まで踏み込みそうなイメージもある。ただ、「気分」「なんとなく」「流れ」「勢い」といった”ぜんぶがぜんぶ理論化されてると思うなよ”的な攻めかたも織り交ぜる印象もある、ので、あいまいな理由も使いながら世界を構築してそうだ。なんとなくそうなっただけ、今回はたまたまそうだった、とか、かなり多用しそう。

プロデューサーとして頑張る回が非常に楽しかった。「ブラッシュアップライフ」の回。タイムリープ物のストーリーを構築するならこういうふうにしてくれてもいいのにな~、とぼんやり思っていたところが、物語内であらためて言語化されていて、それくらいのことしっかり考えて作ってますよ、と言われた気持ちになった。そのうえでの”それはそれとして”の物語を成立させていて、流石だと思った。

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