世界は称賛に値する

日記を書きます

2024年07月31日(水)デジタルツール雑感プロセッシング

Evernote

記述・記録のためのツール「Evernote」の進化がここのところ楽しい。一時は、このまま落ちぶれていくかのようにも見えていたのだけど、運営元がまた変わって、いくつもの軌道修正がおこなわれて、そうでもなくなってきた。無料での利用が「あくまで試用」のレベルに貶められたことで、批難じみた話も見かけなくはないが、基本的には、向上している。利便性というよりは、思想、狙い、価値が、明確になって、独自性が向上している。なんか使いにくくなってきたし、このままもう使わなくてよいんじゃないか、って考えた瞬間もあったのだけど、もうちょっと遊んでみてもよさそう、楽しそう、って感じにはなってきた。「クリップしたものをただ貯めておくだけの場所じゃない」っていうことも、いまさらながら、わかってきたし。「思考を補助」するものとして差し出されたものを、どういった組み立てのうえで、活かしていけばよいのか、ちょっとは見えてきた気がする。

言葉をあつかうデジタルツール

エディタ、メモ、ワープロ、アウトライナー、等々、コンピュータ上で「言葉」をあつかうアプリケーションは無数にある。それぞれ思想性があって、そこが素敵だ。さまざまな理想形を見つめて構成されているのを感じる。「デジタル」と「言葉」「着想」「記録」などの組み合わせにおいて、最適な"重みづけ"がどこかにあるであろうことを、信じているのがわかる。そういった信仰や信奉を見ているだけでも楽しい。身をゆだねてみるのも楽しい。

記述・記録ツールを整理したい気持ちだけはある。たくさんあって難しい。Obsidianはものすごく頻繁に使うようになった。いまの言葉と着想の土台だ。逆に、Notionはあんまり使わなくなった。記述のためのツールではないっぽいな~、ってなってきた。書くことだけ考えたら軽快さが足りない。書きづらい。データベース寄りの印象だ。Evernoteは前述の通りおもしろそうな気配をもって復権してきた。Draftは評判通り「下書き」用に特化しており、その用途のうえで、たしかに使いやすすぎて、驚いた。完全に下書き用に採用した。Dynalistは記述にも保管にもちょうどよい。Workflowyは「作業場」として潤滑であるためベースとなる空間として備えつけたい。いろいろ情報収集していると、「これが欲しい」「遊んでみたい」といった欲は、すぐに、いくらでも、湧いてくるため、これらはすべて、GoogleKeepに投げこもうと決めた。放りこむのには向いている。逆に、OneNoteはぜんぜん使いこなせない。Dayoneは日記という軸において、ものすごく素敵なものが作られている気配があるのに、いまのぼくの生活導線にあわせて導入するのが難しくて、無念を感じている。なんとかならんかな。Upnoteは家用の格納庫にした。Os'Editorもバージョン3がせっかく開発されてきたので織り交ぜたい。いつだって縦書きはしたい。Logseqは仕様だけを見ている限り、極めて素敵っぽいのに、いざと使うとなると、なんか壁を感じる。ぎりぎりの物足りなさがある。Scrapboxは思想的にどう考えてもめちゃくちゃおもしろそうなんだけど、どう組みこんだらよいか見通しがつかない。どれも難しい。

ちょっとしたユーザーインターフェースの違いが、使い勝手を、大きく変えるものなんだな、とは痛感させられている。たとえ見た目での変化が大きくなかったとしても、脳内での使いやすさは、ぜんぜん別物になっていたりもする。結果、びっくりするくらい、継続率が変わる。使いにくさに気づけないレベルの、ささやかな軋轢があるだけで、すぐに使わなくなるのだ。なぜ使わなくなったのか気づけないまま、終わっていることも多い。「書き始めるまでにどれだけの手順が必要か」「書き終わったときどんなふうに画面が遷移するか」「書き終えたものがどういうふうに配置されるか」といったところが、微妙に異なるだけで、ツール総体としての適応力が変わる。向き不向きも変わる。ぼくの生活を眺めて、適材適所を見つける――差しはさみやすいところを見つける。それが難しい。楽しいが、難しい。