世界は称賛に値する

日記を書きます

Dクラッカーズ5 乱

《★★★★》

Dクラッカーズ〈5〉乱‐rondo (富士見ミステリー文庫)

Dクラッカーズ〈5〉乱‐rondo (富士見ミステリー文庫)

「でも、いまの君の態度は実は大変正しい。『自分のペースを守る』というのは、未知の状況に対応するための常道だ。君は僕の長講釈に、理屈ではなく罵声で応じた。それでいいのさ。自分の手の届く間合いを見極め、自分の裁量が活きる範囲で取るべき手段を打つ。いつ、いかなるときでもかくの如く応じられるなら、君は自分の人生をコントロールできるだろう。善哉。精進しなさい」
――P.232

▼悪魔と薬の物語。第五巻。大切にしないことが大切にすることだったりすることはままありうる。別れる時は嫌な奴を演じる的理論である。単純すぎる、とは思う。もっと複雑な策を練れよ、とは思う。けれど、無限の時間はなくて、緊急の事態はあって、だから選ばねばならぬ状況だってあるのだとは思う。覚悟が必要だろう。その覚悟は好きだ。早く続きが読みたい。数巻で判断するのは危険だ、と言われる理由が理解できた。