世界は称賛に値する

日記を書きます

7/5(水) 物語の公正を意識する

水曜日

微熱問題が尾を引いている。ぼく自身は少し緩和したのだけれど家人の症状は悪化した。別の理由による発熱だった可能性が浮上した。厳密なところは不明。いずれにせよ「はよ寝ろ」という声がいまにもしてきそうなので寝る。常備したほうがよいと判断して体温計をひとつ増やした。葛根湯にも頼る日々だ。

佐々木とピーちゃん

Bookwalkerのコイン還元セールで『佐々木とピーちゃん』の6巻・7巻を買った。いまは6巻を読んでいる。ライトノベルのような続き物は、やはり未完が怖いというか、行き当たりばったりが過ぎて止まるのも、大風呂敷をたためなくなってしまって止まるのも、怖いのだけど、そういったこととは縁遠そうな雰囲気が、この作者には感じられる。なんとなく安定した進行が期待できる。物語を進める意志を感じると言ってよいかな。最初から終わりを見据えていて、あるいは計算し尽くしていて、ゴールまでたどりつかせる気がありそうだ、という印象とは違うのだけど、なんというか、物語に振り回されていない印象があるのだ。いつかちゃんとどこかに着地させるであろう姿を予感している。

読書中の6巻で登場した宇宙人のあつかいを見ていてそう感じた。宇宙人という概念をいまの状態に混ぜてくることに対する、混ぜかた、説明しかた、際立たせかた、課題の立てかた、それらが見事だった。ここまで物語を"手玉に取れる"なら、どんな展開が待っていたとしても、なんとかしてくれるでしょう、と思えた。物語の操縦する上手さというか。物語の心臓部をしっかり掌握しきっていそうな安心感というか。ここまでごちゃごちゃとした食材を並べておきながら、あせった顔も見せずに、調理を進めていく一流料理人みたいな手際がすごい、と思ったのだった。佐々木とピーちゃん、かなりおもしろいぞ、と今回ようやく腑に落ちた。「安定しておもしろい」のか、前巻までは不安もあった。

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