世界は称賛に値する

日記を書きます

ガンパレード・マーチ

高機動幻想ガンパレード・マーチ

高機動幻想ガンパレード・マーチ

「一人の人生に疲れた女が居た。
 いいことなど、生まれて一度もない女だ。
 それはただの女だったが、だが、ある日、困っている人に手を差し伸べた。
 一人助けたら、次の人も助けを待っていた。
 次を助ければ、次が出た。
 適当なところで折り合いをつけて、やめればいいのに、文句と運命を呪いながら、ハイヒールのかかとを折って、髪振り乱し、歯をくいしばりながら他人のために走り、そして戦った。
 持った武器は、ただのシャーペンだった。
 だが、我らの祖先は思った。
 そやつはもはや、ただの女ではない。
 ヒーローだと。
 人生に疲れてもいなければ、迷いもない、その暇もない。
 本来人間が居るべきポジションに戻った、誰もがその勝利を願う人の中の人。
 人間の本懐たりえるヒーローだと。
 必要となれば、人は、ペン一本で、刺し、切り、罠を突破し、図を書き、そしてエンジンを爆発させることが出来る。
 核戦争を阻止し、化け物どもを倒し、名前も知らぬ子供のために、走る事が出来るのだ」