世界は称賛に値する

日記を書きます

日比谷のおおきな図書館と、初めての短歌

▼▼寒かった。寒かった、って言葉で日記を書き始めたのは初めてな気がする。普段は書かなさそう、と思って、書いた。最近は、じぶんの文章に対する意識、自縄自縛、が少し気になっていたので、意識して攻撃してみた雰囲気だ。あるいは、凝り固まっているのでほぐそうとしたと言える。ストレッチのイメージだろう。
▼▼図書館に行った。日比谷図書文化館だ。日比谷公園の中にある。初めて行った。比較的おおきい図書館だった。以前行った都立中央図書館ほどではないけれど、おおきくて素敵だった。図書館に来るたびに、図書館の本ばかり読みながら遊んで暮らせる、なんて思う。が、結局は帰り道に書店に寄って新刊をわくわくしながら眺めてたりする。無闇に欲しがってたりする。欲しいものが無限にあって幸せだ。近場にジュンク堂があって、楽しく眺めた。会社ビルの一階のようなところにあって入りづらくて笑った。

事典・哲学の木

事典・哲学の木

  • 作者: 永井均,小林康夫,大澤真幸,山本ひろ子,中島隆博,中島義道,河本英夫
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/03/08
  • メディア: 単行本
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▼▼棚から『事典・哲学の木』を手に取って、読んでいた。面白かった。最近かなり欲しがっている本の一つだ。以前から認識はしていたのだけど、ここのところ出てきた「辞典や事典って読んでると面白いんじゃない?」って気づきが、哲学が好き!っていう嗜好と響き合い始めて、欲しさが増幅された。項目ごとの語りが長く丁寧で楽しい。編纂者の顔触れが豪華かつ、好き、っていうのもある。性に合う事典、って概念が素敵かとも思う。
▼▼窓際に椅子が並んでいて、風景を浴びながら、読書ができる。ゆっくりできた。
▼▼読書の合間に携帯電話で読者登録したブログの更新を眺めていた。短歌企画「短歌の目」の締め切りが近かったせいか、短歌更新が多く並んでいて、じぶんも考えてみたいなあ、という気分が出たりもした。背表紙と日比谷公園の風景を眺めながら言葉を探した。
▼▼題詠「上様」でがっつりと引っ掛かった。頭が滞った。上様上様、と唱えながら図書館内を練り歩いていた。上様、と、神様、有り様、様相、あたりを掛けて言葉の流れを構築してみたくなる気持ち、までは辿り着いたけど、組み立てきれなかったなー。
▼▼実際に短歌の言葉選びをしたのは初めてだったかと思う。ほんとうに、一言一言、分析しながら精査しながら言葉を組み替え試行錯誤を繰り返す、のは、新鮮だった。助詞を変えてみる──、言い回しの流れを変えてみる──、などの、言語シミュレートによって起こる「言葉が見せる感触の変化」を、幾度もなぞっていく、って経験をほんとうに堪能した。最初の関門の「上様」が結局は終わらせられなくて、でもまあよいかー、って投げ出しながら、笑った。人生最初に考えた短歌が「上様」題詠だったのも、よかったんじゃないかと思う。破綻の記録が初手になったのも、好き、と言える気がした。