冷蔵庫あけっぱなし
冷蔵庫を開けっぱなしにしてしまった。冷蔵が必須だったものたちを廃棄した。無念。ものによっては慌てて買い直す羽目にもなった。お子さまが使う食材はないと困るものも少なくない。意外とピンチに陥るんだなと学んだ。まあ賞味期限切れに気づいていなかったものも多々あり、おかげで整理できた、というメリットもなくはなかったが。
なかなか冷気が回復せず、そもそも壊れたのか?と心配もした。が、復旧までただ時間がかかるだけだった。冷たい空気の消え切った冷蔵庫がどれくらいで元に戻るものなのか、知らなかった。四十年ほど生きてきても、遭遇したことがなければ、これくらいのこともわからない。が、「これくらい」と言ってよいか、あやしい事例な気もする。
冷蔵庫開けっ放しによる復旧時間は、「誰もが知っていておかしくない」「一般常識」なんだろうか。たしかに誰もが一回くらいは遭遇しそうで、見知った範囲であるかのようにも思える。しかし、ほんとうにそうかと問う余地もある気はする(実際ぼくは遭遇していなかったわけだし)。こういう、常識っぽくも思えつつ、しかし実際はそうでもないのか?みたいなラインは、けっこう繊細な塩梅で、楽しい。実際に自分が知らなかったにもかかわらず、なぜか「常識」であるかのように思えてしまう、といった認識も謎である。おもしろい。
平凡なリストアップ
ある物事を分析し、ポイント・メリット・リスク、といったものをリストアップできないか、と考えたときに、極めて普通のことしか取り出せなくて、だったら注視しなくていいや~、みたいな舐めかたをしていることが、正直ある。よいおこないではない。「普通」を軽んじていたらなにも始められないだろう。なにごとだって「普通」から始めるしかない。「普通」を排除してたらどこにもつながらない、くらいの事態だってありうるはずである。普通、平凡、基礎、といったものが有する重要性を知るべきだ。そして、それが決して簡単ではないことを実感すべきだ。
ヒアリング業務の場合
ヒアリングする業務を上手くできるようにしたい、という目的のもと、いろいろ考えていたのだが、やっぱり平凡なポイントばっかり思い浮かんで、なんとなく投げやりになっていた。「そんなの知ってるよ」と、賢しらぶって、安易に切り捨てようとする自分がいた。いや、その「知ってるよ」がぜんぜんできてないだろ、とは思った。せっかく出せた「普通」のことを、わかりやすいよう、憶えやすいよう、綺麗に並び替えて、まずはその身に浸透させるくらいのことはしろよ、とも思った。
ヒアリングするときの注意点
ヒアリング業務をおこなうための、注意点をアウトライン的にまとめようとした結果、まず、以下の四つが取り出せた。
- 「相手に関係する知識をできるだけ学んでおく」
- 「対話しやすい空間を用意する」
- 「質問すべき事項を、まとめ、順序も決めておく」
- 「ひとの話に耳を傾ける際のふるまいを研究しておく」
極めて平凡なポイントが四つ並んでいるだけ、とは感じられるところはあった。ごくごく当たり前に「気をつけたほうがよいこと」だった。しかし、その平凡な四つが実践しきれていないのもたしかだった。ぜんぜんちゃんとできていない。軽視している場合じゃまったくない。むしろ、完璧にすべき要素が四つもある、っていうことの大変さを、いいかげん実感しろよ、って思った。現状、ひとつですら完璧にできていないのに、甘く見る意味がわからない。
そもそもひとつでも完璧に
平凡なポイントばっかりが並んでいるように見えて、なんとなく舐めている雰囲気がただよったときに、じゃあそのうちひとつでも完璧にできていると言うのかね、って問うてみるのは、けっこう有効な手立てっぽいぞ、というのは思った。たいていはできていない。まるで完璧ではない。質問されることで、それが浮き彫りになる。結果、緊張感もただよう。よい緊張だと思った。別に、詰問によって萎縮させたいわけじゃないので、そういった厳しさはいらんのだが、それもまあ、自問自答ならある程度の加減は利く。
リストアップした平凡なポイントのうち、ひとつだけでも完璧にしてみせよう、と決意してみせることによって、いずれ、ほかのポイントにもその勢いが波及し、「完璧」という空気が拡がっていくはずだろう、とも考えた。ポイントとポイントはたいてい高高度でつながっているため、あるひとつを極めようとすると、半ば自動的に、ほかの領域のことまで、完璧にやらざるを得なくなるのだ、みたいな認識はあったりする。全領域に適用できるものかはわからないが、特に技巧的なものについては、そんなふうに理解している。