本の文字数
なんで人類は本なんて書けるんだ?といった疑問がときどき頭をよぎる。ある物事を説明するために、人間は、こんなにもたくさんの言葉を並べることが可能なのか?と驚かされるのと同時に、変な感じがしてくる。よく考えると意味わからん、ってなる。なにを語るにしても、結局は、「単純にいえば、これはこういうものであって、こうなって、こうです」と、端的に説明し、そしてそれだけで終わっちゃいそうじゃない?って感じてしまうような。そういった誤解というか勘違いというか、幻想みたいなものが、たまに目を覆う。
ただ視野狭窄に陥っているだけだ、とは思う。ぼくが想像しているより、物事は、はるかにさまざまな側面を持っているんだろう(あって六つくらい、とか、サイコロを見習ってなぜか想像していたりもするが、ともすれば三桁クラスの側面が見出せる気もしなくはない)。さらには、いろんなひとが、それぞれ好き勝手な解釈をいだいているわけで、それらの中にある、誤読や偏見を解きほぐそうとするだけでも、数知れないほどの調整が必要になってくるんだと思う。
物事のかかえる難点・欠点・問題点の多さを舐めている。見通しの悪さと、それを「言葉だけでなんとかしてみせようとする」ことの大変さを甘く見ている。「できればひとつの誤解も起こらないよう精緻に説明してみせる」ことの作業量がうまく見積もれていない。その結果が、「一冊もかけて説明しないと伝わらないことなんてあるかな?」といった不思議さとして顕現してしまっているわけだ。が、やっぱり勘違いしてるよな~、って思った。明らかに誤りだと、直観的には感じてしまう範囲があって、厄介である。
というかそもそもあれだよな、って思った。まず、語りたいものの"アウトライン"をなぞってみせて、その大枠のもとで、ポイントとなってくるであろうところにフォーカスしてみせて、着目しながら、ひとつひとつ丁寧に解説していく、っていう手順だけで、すでにめちゃめちゃ文字数が増えるの、想像できるじゃん、って思った。そんな落ちだよなって思った。