世界は称賛に値する

日記を書きます

2024年08月18日(日)いろんな作品が動いている

作品

『哲学の問い』(青山拓央/ちくま新書)をすこし前に買って読んでいる。今月の新刊だった。えらく楽しい。かつて、『哲学の謎』(野矢茂樹/講談社現代新書)に出会った衝撃で「哲学」って楽しいものなんだな~、と実感させられたところがあるのだけど、その系譜の上で、また、新たな楽しさに出会わせてくれた印象だった。『哲学の謎』と同じように、対話形式で、テーマごとに、「隙間」を見つけて、軽快、かつ、丁寧に話し合っていく。こんなふうに楽しい本に出会えるのは、すごく嬉しい。お子さまが表紙を吹っ飛ばしていたが、まあよし。これだけおもしろければ、ぼろぼろになろうと文句はない。

嬉しいといえば、『さよならの言い方なんて知らない 9巻』(河野裕/新潮文庫nex)を数日前に読み終えた。これも、これまでの巻に続いて、傑作だった。出会えたことを非常に嬉しく思っているシリーズのひとつだ。新刊が出るたびに幸せな気持ちになっている。正直いま最も好きな作品だと思う。異能バトルのクオリティの高さと、根底に流れる「問い」のクオリティの高さが、相乗効果を発揮している。世界はまだまだ可能性を残しているというか、人類が開拓してきた部分なんて一部だと思うが、そんな中で、新たな平原を「問いかける」ような作品は好きだ。それがぼくの「問い」と響き合うなら、なおさらだ。そういう意味で、オールタイムベストと言えるような作品がいくつかあって、その気配を感じている。こんなふうに「生の意味」を問えるんだ、と、なかば驚愕している。

『HUNTER×HUNTER』の連載再開が決まったようである。静かに驚喜している。いつも通り、連載再開に合わせて新刊も出るようだ。連載休止すること自体はもうまったく気にならなくなった。しょうがないもんはしょうがない、という気持ちがベースになった。限界を超えて肉体を酷使しろなんて言えたものでもないしな……。ちゃんと待てば、ちゃんと続きを読ませてもらえる、ということが、これだけ長く続くと、不思議な凄味が感じられてくるな~、とも思った。ちょっとずつちょっとずつ「報われ続ける」と、こんな気持ちになっていくんだ、という発見だった。こんなに楽しみにしていながら、しかし待たされることは確実で、待たされる期間もどんどん長くなってきていて、けれど、待つだけの価値はあったリターンを、ちゃんとあたえてくれる、というような事柄、実はそうそうない。ここまで「楽しみ」にできること自体、珍しいし。稀有な感情をもたらす謎の位置づけの作品になったなとは思う。総合的には嬉しさの話だ。

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時系列と論理

出来事を時系列に沿って描いていったときに、これって「論理的」なんですかね?と問われたら、戸惑う。理屈の流れと時間の流れの関連性は、謎だ。あんまり考えたこともなかったな。話を逆にするなら、時系列をバラバラにしたときに、「論理が破綻している」と言うことは可能なんだろうか、という話だ。「筋が通っている」「辻褄が合っている」「道理にかなう」あたりが、論理性・合理性・整合性といったものを示す表現だとは思うのだけど、「時系列に沿っている」は、「筋」「辻褄」「道理」として見做しうるんだろうか?

とはいえ、「因果関係」の語るときに、時系列をバラバラにしてしまったら、話が破綻するような気は、しなくもない。しかしこれって「論理的整合性」の問題なのか? うーん、でも、順序がおかしくなっていることに言及せず、時系列がおかしいまま、話をしていたら、論理破綻っぽくはなりそうか……。「因果関係」と「論理的」ってどういう繋がりなんだっけ。投げっぱなしでいったん終わり。