世界は称賛に値する

日記を書きます

2024年05月20日(月)やわらかい文章のほうが世には広まる模様

萌芽がある、芽生えている

読みやすい文章のためには和語を推奨します、っていう文章指南をときたま見かけることはあって、そんなときには、和語(やまとことば)と漢語の対比例を、あらためて考えてみたくなったりもする。ピックアップしてじっと見比べてみたくなる。いくらでも思いつくと言えば思いつくんだけど、ほんとうにイコールと見なしてよいかあやしいな、という疑問を感じることもあって、そこに見出せる違和感をはっきりさせてみたくなる、と言ってもよいかと思う。軋轢や齟齬を具体的に受け止めてみたくなる。「分ける」と「分割する」、「嫌う」と「嫌悪する」、「泊まる」と「宿泊する」、「止める」と「制止する」、「合う」と「合致する」、「すすめる」と「推奨する」。

「芽生え」と「萌芽」も手触りのよい取り合わせだな、って思った。頻繁に出くわす単語ではないけれど、ほどほどに目新しくて、心地好い。なんとなく性にも合う。ぼくの感性に合う「和語・漢語」実例モデルとして、普段から携えておくのにちょうどよい対比の形だ、って思えた。あんまり身近すぎたり自然すぎたりすると、それはそれで、咄嗟に出てこなくなるし。よい距離感だ。

「~的」「~性」「~化」という言い回しが、漢語の温床である、だから封印しよう、といった解説に出くわして、なるほど!とも思った。こういうのも漢語の範疇なんだなとも思った。漢語と和語、硬い文書とやわらかい文章、といったものを整理していく場面において、こういう「的・性・化」から攻めてみるルートもまた、だいぶ有効そうである。緊急時に"思いつけ"そうだ。すぐに取り出せる位置に置いておける具体例については、よくよく考えて準備しておきたい気持ちがある。