梨泰院クラス
Netflixの海外テレビドラマ『梨泰院クラス』を最後まで見切った。BGV・BGM用途で見始めたところもあったのだけど、かなりよかった。途中からは夢中で、一気見した。評判の高さもごもっともだった。ビジネスや経済の領域を土台にした復讐劇であること(韓国の外食産業の最大チェーンの企業と戦う)と、主人公が実行・実現の実直な男であるところが、特色なんだな、と思いながら観ていたのだけど、見終えてみると、ラブストーリーが主軸だったんだ、と思わされるところはあった。後半の「ラブストーリー」まわりの展開が極めて素敵だった。静かに積み立ててきたものを一気に爆発させる勢いがあった。「愛の告白」としてはだいぶ上位に入る美しさだった。
茉莉花官吏伝
『茉莉花官吏伝 後宮女官、気まぐれ皇帝に見初められ』のコミカライズ版を読み始めた。記憶力だけが抜群によい女性が、皇帝にその素質を見出され、活躍していく、というのが筋書き。記憶力"のみ"の才覚によって選ばれたところに、最初は違和感も覚えていたのだけど、その能力を前提に、「考える」領域にまで話を踏みこませていったので、あんまり気にならなくはなった。より興味深くもなった。
まんが版の4巻くらいから特におもしろくなってきたと思う。主人公の考えかたや立ち位置が、「まわりのひとを考えさせる」ほうに向いているのも、特徴だと言ってよい。諦めさせたり奮起させたりいろいろなエピソードはあるけれど、諦めずに立ち向かう姿が誰かの心に響く光景はやっぱり素敵だし、それがけっこう、意識的、というか、計画的におこなわれていて、そこにある作為性も、好みのものだった。人の気持ちをコントロールする、という言いかたをすると、是々非々あると思うけど、考えに考え抜いたうえで計画・実行しようとする熱意と根性、知性は、たいへん好きだ。