計算と悪意
計算高いも打算的も、フラットに見れば単なる事前準備における「計算」部分の話であって、悪意を前提とした概念ではないけれど、例えば「腹黒い」だと悪意が下地にはなる。まあでも、一般的な用法を見ていると、計算高いや打算的にも悪意のようなものを見て取ることは多々あるかな。腹黒いと大差ない使われかたがほとんどと言ってもよいくらいだ。まあ、しっかり計算された行動を見かけたときに「悪意」が混ぜられていると(おそろしくて)その分インパクトが強くなる、という感じかなと思う。目立つせいでそんな印象ばかり残ってしまうんじゃなかろうか。
ウソ
嘘泣きとか嫌な感じである。計算や打算における手練手管の中に「ウソ」を混ぜられるとたしかに嫌な感じにはなる。騙されたくはない、というのはわりと前提なんだなと思う。
『ゼロ』
堀江貴文氏が著書の『ゼロ』について話しているのを見た。前に読んだことがある。著者自身の来歴についてわりと赤裸々に語られていて、かなりおもしろかった記憶だ。だいぶ弱いところまでさらけ出しているような内容だった。今回の話の中で、『ゼロ』では戦略的にそういうものを狙った、そういうものがウケると思って書いた、と話されていて、なるほどやはりそういうものなんだな~、と思った。ウケることを狙っていろいろな打算的な話が織り交ぜられている。こういうふうに「ウケるのを狙って」とか言われると、ウソ(虚偽とか誇張)が混じってそうだなあ、という気持ちもなってしまうのだけど(ウソでもなんでもとにかくウケることを第一目的として書くだろうなと想像してしまうわけだけど)、とはいえ、まあでもそれくらいのことすることはあるか、とも思う。想像はできる。理解も共感も納得もいちおうある。
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『ゲームの歴史』
最近、『ゲームの歴史』という本に対しての批判を読んだ。岩崎夏海氏・稲田豊史氏の著書に対するツッコミだった。事実と異なるエピソードが数多く含まれており読むに値しない、調査不足が過ぎる、というような指摘がされていた。前述した『ゼロ』と比べると、こっちの「ウソ(かもしれない)」は意味がわからないよな~、ということを考えていた。ウケるならたとえウソでも書いてしまってよかろう、と思ったかもしれない堀江氏の執筆時の判断(あくまで「想像上」のもので、『ゼロ』に関してはウソや誇張を交えていない可能性も当然あるのだけど)と、こちらの『ゲームの歴史』における「ウソ」の混ぜかたは、別物、と思った形である。
自分の記憶、感情、意志の中に作りものを混ぜて見せようとするのと、うろおぼえの知識でテキトーなことを語ってみせるのは、ぼくのなかでは違う「くくり」なのだなと思った。ここについては、煎じ詰めると、「ウソのバレやすさ」を境界線にしているだけっぽいな~、とも思った。そんな「詳しいひとに見られたら簡単にバレるようなウソ」をわざわざつく意味がわからん……、といった理解の届かなさに対して、「想像できない」と思っているところはたぶんある。
(虚偽、誇張、テキトーだったことを自覚していてバレないだろうと思っていたのか、そもそも、思いこみなどで素直に言ったら雑な記憶だった(なんにせよしっかり調査はしていなかった)という事例なのかは、不明だ)
極端なことを言ってバズる
ウソ混じりと言ってよいくらいテキトーなことを言う、といった情景で言うと、はてな匿名ダイアリーなんかでときどき見かける「極端なことを言ってバズろうとする」意志が垣間見えるやつも、似たところだなあ、と思った。「本来は賛否両論あるはずの話題に、いっちょ噛み的な感じで”片方の要素だけを過度に貶す”エピソードを書いてみせ、ツッコミを待つ(わざと隙のある話を出して。場を荒らして、自己顕示欲を満たすようなことをする)」やりかただ。ケースバイケースのものに対し、これってぜんぶクソだ、と言ってみせ、そんなわけないだろ、とまわりが色めき立つのを楽しむ、というやりかたである。手口としてはあんまり好きじゃない。読んだときに、シンプルに時間の無駄だった、と思わされるところが好きじゃないところだ。なにも先に進んでない感じになるし。でもまあ、こちらについては、想像はできる。上の『ゲームの歴史』の「テキトーさ」よりは、理解も共感も納得もあるんだよなと思った。
というような話は、極端な話が、ほんとうに「話題性のため、わざと(意図的に)極端に書かれた誇張」だという前提によるものだけど。
不快な行為のうえに、効果的でもなく思える、という二重性
まあ、善悪や好悪は置いといて、その目的に対したしかに効果的ではあるね……、と想像できているかどうかが鍵なんだろうな。と思った。効果的とは思えない、と想像してしまっていて、しかも、その手口があんまり好きじゃないものだった場合、二重に「ダメ」さを感じることになるので、ツライ、みたいな状態かな~。