世界は称賛に値する

日記を書きます

読解のボロン2/5日

読み切り

最近はほんとうにたくさんの読み切りまんがが読めるようになった。ジャンププラスでも、となりのヤングジャンプでも、コミックデイズでも新しい作品が簡単に読める。自分の生活内だとジャンププラスとの親和性が高いのだけど、ジャンププラスだけでも一日一作くらいは読める。そして、どれも質が高くてびっくりさせられる。毎日こういう読み切りまんがの感想を書いていくだけでも楽しい日記が書き続けられるんじゃないかなとすら思う。最近読んだ二作が、立て続けに面白かった。

『小学生歯みがき習慣ポスターコンクール』 作者:茶んた

ある街で開催されたポスターコンクール。選考委員として招待された芸術家・吉村は、そこでカオスに遭遇する…?少なすぎる応募数、攻めた作品内容、現れない選考委員…奇才が描く、困惑のギャグ読切22p!

小学生歯みがき習慣ポスターコンクール - 茶んた | 少年ジャンプ+

小学生歯みがき習慣ポスターの公募に送られてきた三つの絵画の論評であれこれする小噺だ。こういう、パズルのような緻密な計算によって設定と展開を制作したうえで、それを変態的なキャラクターとツッコミによって進めていく(そして謎の知性をスパイスとしてまぶしている)物語は、とても好きだ。好みである。題名からの予感で、普通か異様に面白いかのどちらかだろうなと思っていたら後者だった。短編ならではの切れ味ではあるので連載につながるかとかは不明だが、ファンにはなった。もともと少年チャンピオンで連載もされていた漫画家だったらしい。

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『送り雨』 作者:むぎすけ

「一文、ください」――。裕福な蔵元の放蕩息子・みのる。彼は遊郭で働くとき羽に惚れて、通い詰めていた。しかしある日、一文払えば渡し船に乗せてくれる不気味な女と出会い…。

送り雨 - むぎすけ | 少年ジャンプ+

二日続けてクオリティの高い読み切りが来ると、当たり週だなと思う。当たりだった。三途の川の渡し賃というアイテムと「待ってる」という台詞から始まっている時点で、面白そうな予感と嫌な予感が同時に匂う。怖いようで哀しいようで優しい物語だと思った。そのあたりの展開の進めかたが見事だったと言える。こういう話なんだろうな、という予想を気持ちよく裏切ってくれた感触だ。泳ぎの練習しているエピソードと、それに対する主人公の描写が上手だったと思う。最後のページ、そして、最後のコマもよかった。

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