誇りが要る

▼誇りが要るな、と思った。呼吸を整える。朝の空気は冷やされていた。叱咤して対抗意識を燃やす。誇りが必要だと思えた。目的はなんだろう、と自問する。笑うこと――満足して笑えること。動揺も鈍痛も寝かしつけて愉快そうににやりと笑いかけられること。飽和しかけた言葉で言うなら、理想の獲得のため、だ。理想の人生を実現するためには不可避な性能。不可避な性能のために必要な習慣。必要な習慣のために重要な決意。重要な決意のために獲得すべき気持ち。誇りだ。対義語は『みじめ』あたりに置こうかな、なんて考えてみた。誇りを獲得しようとするなら『みじめ』を排除していけばいいんだろう、と考えてみたのだった。おのれに対して『みじめ』を覚えない人生を選択していくこと。覚醒を無理矢理起動させる。起きる。寒さを振り払う。惰性を無視する。決意で動くのは心地好かった。決断で選ぶのは朗らかで健やかだった。準備を進める。家を出る。わざと時間は早くした。頑張っているぜ、とかちゃんと思えることが必要だと思った。楽しい、に踊らされすぎていたように思えた。負け惜しみかなあ、と自問する。含まれてるな、とは思えた。けれど、すべてではなかった。目覚めたところもある、と思えた。▼読書時間はあまり取れなかったが、軽く高田明典『「私」のための現代思想』を読んでいた。読み直している。論旨や論拠を見失っていることに気づいたからだ。理解すべきものだ、と判断している。第1章を読み返していた。束縛しているもの、についての思考。言葉と価値と社会に視線を向ける。最初は言葉だった。言葉という制度があることは自明で、言葉に人間はかなりのところを頼っている。依存しているところもある。依存の形をきちんと把握し、きちんと把握することで改めて活用していく。活用の道を模索する。言葉。分類。基準。概念。自己。教条。文化。専制。伝達。価値。ゆっくり読んでいこう、と思った。