▼眼前の相手を『おのれと同じような存在』だと看做さなければ、できることはおそらく激増する。傷つけるようなことさえ簡単にできるからだ。同じように傷つくのだ、という前提を捨てることが、同じ存在だと看做さない、ということだからだ。わりと嫌いな思考操作だ、とは判断している。弱いから、ではない。あとに繋がらないから、だ。マイナススパイラルの匂いが漂う。▼職場に到着する。違和感を覚える。時計を見る。普段とは違う時間だった。わずかに違う。わずかに遅い。違和感は意外ですらあった。思ったよりも違っていた。流れが変わったからだろう、と思う。定型からのズレを認識する。認識して修正する。修正できたかどうかは実際のところわからない。すぐに違和感を気にしている暇がなくなったからだ。わりと暇ではあった。けれど、いろいろ起こってもいた。抱えた問題はたくさんだった。助けてもらう。頼む。謝る。笑う。ホントごめんとマジありがとう。問題は改善されて、なかなかに素敵な状況だったと言える。明確に遂行する。任務と欲求を思考と挙動に絡ませる。推測と憶測と予測が絡んでいると、感謝には限界ができてしまうように思える。予測皆無の状況にこそ、強くて多くの感謝を覚えることができるように思える。話を聴いていた。話を訊けていた。意外を認識した。間違いなく予測のできなかった流れだった。運命の女神様にありがとうくらいは言っておこうか、と思った。
