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日記を書きます

悪い芝居リインカーネーション『春よ行くな、』を観劇しました

悪い芝居 Official Site

▼▼一つも、何も、言葉も意味も、躰さえも、届いてなかったんじゃないか、とは思いそうになってしまって、でも、思わず意識してしまう寂しさや哀しさが、いやいや、一つくらいは、何か――そう何かが、届いていたりもしたんじゃないか? 届いたものがあってもよくない? あの物語にも何かがあったんじゃないか? と思わせようとしてくる。寂寥や哀切の引力によって、そう考えたくなるほうへ、引っ張られていく。追いやられていく。
▼▼というような、断絶の、いや、届かないことの(届かないことは断絶なのか? 断絶という言葉がそぐうのか? そして、ほんとうに「届かなかった」のだろうか……、と、幾度となく問い直してしまう)、そして、それでも届かせようした意志と、届かないでもよい(届いたほうがよい)(届かなくてもよい)、あたりのことにまつわる物語、として、悪い芝居リインカーネーション『春よ行くな、』という演劇を観劇してきました。▼▼あれは届いていたのか? 届いていなかったのか? というか、届くということとわかるということは違うのか? というような疑問群が、脳内でくるくると旋回していて、これは素敵だーと笑いながら、今はそれを観察している。記憶がほよほよしている。


▼▼京都を拠点に活動する集団「悪い芝居」の公演である。関西公演を終えたあとの、関東公演だ。東京都中野区中野で観劇した。中野駅には初めて降りた。中野の劇場「テアトルBONBON」に足を踏み入れる。「悪い芝居」の舞台は「赤坂レッドシアター」での経験が続いていたため、新鮮と違和も楽しめた。劇場の特色も楽しいものだと思った。


▼▼リインカーネーション、という言葉を冠しているとおり、今回の公演は、悪い芝居Vol.15『春よ行くな』の再演、再生、であったわけなのだけど、じぶんが「悪い芝居」の公演を見るようになったのは悪い芝居Vol.16『スーパーふぃクション』からだったため、無論、この物語を見るのは初めてだった。『スーパーふぃクション』『キスインヘル』『メロメロたち』という流れを経てきたあとで、ここに辿り着いた(戻った?)のは、なんとなく、けっこうよかったんじゃないかな、という気もしている。この届かない物語が――この赤裸々な届かなさが――この通奏低音的に響いてきそうな届かなさの音あるいは光が、実際のところ、どこに打ち立ってくれたのだとしても結局楽しめただろう気もしてはいるのだけど、まあでもともあれ、じぶんが出会ったものに素敵というほかないし、ということも含めて、今回、おお、よかったじゃん、って思っていたりするのだった。今はそうじぶんに声をかけている。

悪い芝居リインカーネーション『春よ行くな、』 大原研二&山崎彬インタビュー - げきぴあ

【※ネタバレ注意】悪い芝居リインカネーション『春よ行くな、』感想と期待のツイートまとめ - Togetterまとめ


▼▼そしてズイショさんの『春よ行くな』(最初の公演)の感想をめっちゃ読み直しました。とさ。
zuisho.hatenadiary.jp
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