世界は称賛に値する

日記を書きます

2023年12月3日(日)早食いがスカスカと理解する日曜

まんがの早食い

まんがを読むのが速いほうだと自慢気に思っていることが子どもの頃はあった。最近は思わなくなった。単に読み飛ばしているだったといつしか理解した。ぼくのこれまでの読書・読解の経験から生成された"先読み"機構(スキーマ)が、読み飛ばした隙間を、なんとなく埋めてくれているだけだよ、と学んだ次第である。雑な読解によるニュアンスだけで作り上げたスカスカの張りぼての「空白」部分を、"先入観"で埋めているだけだ、と言ってもよい。たしかに速いかもしれないが実はあいだあいだが読めていないんだぞと学んだ。いわゆる「わかったつもり」という状態であることも理解した。「たいていこうなるだろう」という推測を勝手に継ぎ足している。「こうなったらよいな」という希望的観測すら都合よく当てはめている。よい状態だとは思わなくなった。

丁寧に読む(丁寧に聴くのを真似て)

業務的なヒアリングのときに、ただただ真っ直ぐ相手の話に耳を傾ける、というスタンスを最近は意識している。そのスタンスからの連想で、まんがの台詞を真っ直ぐひと言ひと言噛み締めて読んでみるのもよいものだろうと考えた。端々まで気を配る。背後関係まで視野を広げる。立体的に捉える。字面や表層をなぞるだけでなく、内側にまで手を伸ばす。「繊細な認識の網で物事を捉えることで、解像度が高いモデルを形成し、空白が作られないようにする」やりかただ。そういう頭の使いかたもきっと楽しいとあらためて判断した。そんな経験からのフィードバックが業務的なヒアリングの技術と質を向上させてくれそうでもあるし。