世界は称賛に値する

日記を書きます

20230816 電話の話

高野史緒「G線上のアリア」

『日本SFの臨界点 恋愛編』をちょびちょびと読み進めている。小説家の伴名練氏が編纂したサイエンスフィクションの短編集。恋愛にまつわるものが集められている。収録作、高野史緒「G戦場のアリア」を今回は読んだ。この小説では、この世界のものとは少し異なった歴史が語られる。西暦1700年代に電話機が存在したとして、それを可能にしたテクノロジー、そして通信環境が、どんなふうに世界を変えていくか、具体的には、そのときの十字軍や権力闘争がどんなふうに電話機の存在によって変わっていったか、が、細かに語られていく。恋愛編に収録されるだけの恋愛話も織り交ぜつつ、その背後で濃厚な未知の歴史が語られるのは、たいへん異質で楽しかった。高野史緒氏のほかの著作も読んでみたい。

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