世界は称賛に値する

日記を書きます

言を食みたがる12月9日金曜日

文章比べ

ここ数年、年末にブログアドベントカレンダー企画が開催されている。このちょっとしたお祭り騒ぎがたいへん好きだ。だいぶ定例化しつつあるところも嬉しい。企画主旨は「クリスマスまでの12月1日~12月25日の25日間、特定のテーマに沿った記事を、一日一個書き上げて、カウントダウンカレンダーを埋めよう」というもので、ひとりがすべて書く場合も、複数人がひとつずつ書いていくような場合もある。さまざまだ。いずれにせよ、毎年この時期になると、アドベントカレンダーまわりで、ブログ文化圏が活性化する。読める文章が増える。というのを喜んでいるのだった。いろいろなひとの、いろいろなテーマの、文章を読んで、矯めつ眇めつできるのは、とても面白い。好きな話を中心にして皆で集まれるのも、ワイワイ騒げる暖かな空間が現出してくれるのも、じゅうぶん楽しいのだけれど、最も好きなところは、「同じテーマで書かれた文章を見比べることで、人様と人様の感性が、比較しやすい」ところだと思う。あるテーマのもとで行なわれる、それぞれの工夫を見ることで、それぞれの感性の違いが、くっきり見えてくる(とまではいかなくても、まあまあ見やすくなる)、というのが好きだ。

adventar.org

お題との違い

アドベントカレンダーに求めている「特定のテーマを掲げて、みんなで書く」っていうやつ、別に、はてなの「お題」でもいいんじゃないの?同じことができるんじゃないの?って思って、まあたしかにそうなんだけどね、ってなった。いやでも雰囲気が違うんだよなー。こういうのって結局ちょっとしたルールやツールやコンテクストの違いでぜんぜん別物になっちゃうから……。アドベントカレンダーは、挙手制だし、25人の人数制限があるし、面白そうなテーマや好きなテーマのもとに集まった人が参加者になるし、時間制限も季節制限もあるし、だからクリスマスや年末の盛り上がりとも関連させやすいし、そしてほどほどにマニアックだ。こういう要素が、面白い文章が集まってくるきっかけにはなると思う。「お題」もたしかに楽しいんだけどね、単なる経験則として、あんまり好きじゃない文章にも出くわしがちだ(というだけの問題な気もするが)。

コンテクスト

文脈/コンテキスト/コンテクスト、の使い分けかたは、自分の中でもかなり謎だ(基本的には同じ意味)。見聞きした回数の問題だとは思うけど、コンテキストよりはコンテクストのほうがなんとなく体に馴染んでいる気はするかな。そして最も自然なのは「文脈」だ。ただちょっと、文脈という言い回しは、自然すぎるあまりに、「沈んで」しまう印象がある。書いた文章の中で、浮かび上がらせられないというか、輝かせられないというか、目立たない。コンテクストって書いたほうが「この物事の”文脈”面にフォーカスして欲しいなー」ということを強調できる感覚があるのだった。あと、コンテキストとコンテクストの違いについては、文学にまつわる概念が、テキストではなくテクストを選んでいる印象が強いため、文学関係に属している場では「コンテクスト」、それ以外の場だと「コンテキスト」、になりがちなのか?って思ったりしている。

ぶっこみ用語

コンテクストって言葉ほんと皆様めちゃくちゃ自然に使ってくるよね~、と思っている。少なくとも、ぼくが素直に好きな文章を読んでいるとすごい確率で遭遇する。ぼく目線だととてもメジャーだ。遭遇する機会が多すぎて流石に学んでしまったけれど、ずっと知らないままだったら、かなりたくさんの話題を前にして、一歩下がる羽目になっていたと思う。そして、そういう単語ってたくさんある。ためらいも気負いもなくむしろ意識もせぬままぶっこまれる界隈頻出単語だ。一定の範囲内で名の売れているひとやもの、概念を知るのが楽しい、という話を前に書いたけど、似た話かなー。おお、この単語みんな使ってくるじゃん、なるほど、そういう場なんだな~、そしてそれだけの使いやすさがあるんだな~、ということが学べるのはまず楽しい。いずれ、それだけの重要性が確かにあるとわかってきたりもする。そこにも感動したりする。#