世界は称賛に値する

日記を書きます

サウンドトラック 下(古川日出男)

《★★★★★》

サウンドトラック〈下〉 (集英社文庫)

サウンドトラック〈下〉 (集英社文庫)

 ただし認識は反射行動の後塵を拝している。
 そこに映像がプロジェクトされる。それは驚異として出現する。暗闇にレニの映画(フィルム)は懐胎される。光と影がそこに現実のコピーを産み落とす。運動として映写する。それは、魔術としての映像だった。あるものたちの眼に、神秘(ミステリー)となる映像。絶対的な謎となる映画(フィルム)。
 鴉の眼に。
――P.119

▼さらなる強大な敵とかが現れて東京大決戦、とかいう続きが訪れても悪くないな、とすら思えた。賛辞だ。理解はできる。ぎりぎりだけど。感動もできる。無理矢理だけど。無理矢理でもないかな。凄いぜ、と思った。素直に思ったし純粋に思った。驚異だと思えたし脅威だと思えた。世界が持っている複雑を逃していない、と判断する。現状の思考と感性はそう判断した。あるいはそう見える。しばらくはここを追っていこう。好きだ。