トーン変え
文章を書き終えたあと、なんだかしっくりこなくて、あたまから書きなおしてみる。もっとしゃんとした形にできないもんかなと思う。あたまから洗いなおしていく過程で、一回目には気づけなかった、取っ掛かりを見つけ出し、そこから、新たな視点を、ぬるっと差しはさんでみる。そうして見えていなかったものが見えてくる。味わいの方向性が切り替わる。
みたいな経験はいくらでもあるんだけど、話している内容自体はあんまり変わっていないはずなのに、新たに加わったスパイスによって、全体のトーンが、がらりと変わってくれることも少なくなくて、ときどき、びっくりさせられる。というか、なんで?って思う。おもしろさって、直接的な内容ばっかりじゃないんだな、ということを目の当たりにして、なんか笑う。レトリックとか軽妙さとか冷たさ温かみとかでもぜんぜん変わってくるし。おもしろい例を一個置いてみるだけでも変わる。オチとか締めみたいな幕引きを置くだけでも変わる。それが余計なこともなくはないが。