- 作者: ジョン・C.マクスウェル,齋藤孝
- 出版社/メーカー: 三笠書房
- 発売日: 2005/08
- メディア: 単行本
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《75点》
夢があれば、全てのことを秩序立てて考えることができる。つまらない仕事や、すぐには成果の上がらない仕事でも、最終的には夢の実現に役立つと思うと、やるだけの価値のある仕事になる。全体を眺めた時、一つひとつの仕事がなくてはならないパズルの一ピースであることがわかるのだ。
ビルの建設現場でセメントを流し込んでいる三人の作業員に質問をするレポーターの話がある。「あなたは今、何をしているんですか」という質問に、一人目の作業員は「食い扶持を稼いでいるんだよ」とつぶやいた。
同じ質問に対して、二人目の作業員はレポーターのほうを振り返りながらこう言った。
「何をしているかだって? コンクリートを流し込んでいるのさ」
三人目の作業員に目をやると、彼が楽しそうに、口笛を吹きながら仕事をしているのにレポーターは気がついた。「あなたは今何をしているんですか」と尋ねると、三番目の作業員は仕事の手を休め、弾んだ声でこう答えた。
「ホームレスのためのシェルターを作っているのさ」
その作業員は手をきれいに拭いて、説明を始めた。
「ほら、ここにはキッチンをつくるんだ。それからこっちは女性用の寝室で、ここは……」
三人ともしている仕事は同じだ。しかし三人目の作業員だけは、全体像を思い描くことによって仕事にやりがいを見出している。彼のしている仕事は夢の実現につながっており、そのことが一つひとつの作業に価値を与えているのだ。