世界は称賛に値する

日記を書きます

やつらが雪崩れ込んで来る

 普段の金曜日は休みだ。という文章は、じゃあ今日は『普段の金曜日』じゃなかったんだな、ということを想起させてしまう、と思う。これが、行間を読む、文脈を読む、言葉の裏を読む、というものの始まりだ。深読みする、と言ってもいい。しかし、深読みしすぎ、ということもないわけではない。言葉の綾、とか、口が滑った、ということもあるからだ。時間をかけて推敲しながら書いている文章ならともかく、瞬時の判断で言葉を選びながら話している会話であれば、誤って不適切な言い回しを使ってしまうことだって時にはあるだろう、と思う。それくらい意識しておこう、という話。午後9時出勤。誰かを助けている、という自意識にはわりと快楽があるものだよな、と、そんなようなことをふと考える。開店と同時にお客様が雪崩れ込んで来るだろう、という状況は、いちおう想定済みだった。人気商品の入荷日だったからだ。社員の一人に誘導を頼み、自分はレジを担当する。嵐が過ぎ去るまでにかかった時間は20分ほどだっただろうか。次に待っていたのは大量の納品作業だった。ダンボール3箱と対峙。が、別にそれほどあせってやらなくてもなんとかなるし、むしろ終わらせたらやることなくなるんだぜ、ということが想像できていても、たくさんの作業が目の前にあると、ゆったりこなせばいい、という意識を保ち続けるのは難しいな、と感じる。実際ガシガシ作業を進めてしまった。案の定、暇な時間ができる。が、さすがは金曜日。夕暮れ頃には再び混雑の気配を漂わせ始めていた。