ストーリーの大切にしかたが判らない

▼▼コンピュータのロールプレイングゲームに対して、戦闘ってなくてもよくない? という意見が出ているのを見かけた。以前には、RPGにストーリーはなくてもよい、という意見もまた、見かけたことがある。ストーリーと戦闘の二つが、相互対立的な要素だとは思っていないのだけど、RPG戦闘不要論が「ストーリーがあればよいじゃん」を志向しているのは間違いないところだと思うし、同様に、RPGストーリー不要論は「戦闘があればよいじゃん」という話になるのだろう、ということも、まあ判る――判るか? いや、うーん、ここはなんか違うかな? 同じ構図にはならない気がしてきたぞ……。
▼▼まああれかな。ストーリー不要論というのは「ゲームシステムのおもしろさの話」に繋がるものであり、その一端というか一環というか、代表格として、戦闘システムっていうのはおもしろくて素敵だ(戦闘があれば素敵だ)、という流れに話が繋がったりしそうではある。それを「戦闘があればよい」という表現で示すことは可能だろう。が、その「システムのおもしろさ」は別に「戦闘システム」じゃなくてもよい可能性もある。戦闘以外にも「おもしろいシステム」はいくらでもありうる。だからまあつまり、戦闘とストーリー、っていうよりは、システムとストーリー、の対立、という構図が頭の中に拡がっている、と考えたほうが的確そうだ……。

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▼▼ストーリー重視論も軽視論も、なんか、受け止めるのが難しい、っていうのが、けっこう昔からあって、それはまあ要するに、じぶんがストーリーを重視しちゃう癖を持っている――意図せず満足しちゃうことが多々ある――強烈に泣けたり笑えたりしたらそれだけで評価を高くしたくなる頭の動かしかたに躰が馴染んでしまっている、みたいなところがあるから(癒着がすごくて綺麗に切り分けできないせいで困ってるから)なのだけど、さらに言うなら、ストーリーはそれだけ単純に人を動かしうる強い力だ――人間の脳の適性度が高すぎてなんも考えなくても受け止められちゃうものであり、だから、なるたけほかのところを見たほうがよい、みたいな話と(強いものなので釣られないようにしましょう、という心掛けの話と)、最初っから釣られない感じの人が「いやストーリーだけが大事なわけないじゃん?」って言ってるような話の(ストーリーにばかりフォーカスしちゃう見方っていうのは、視野が狭くて、幼稚じゃん?みたいな)、噛み合わせが、よくわからなくて、なんか混乱してるから、っていうのがある、んだよなー。
▼▼ストーリー以外の要素もきちんと見つめて、丁寧に評価している言葉、っていうのには、納得する。称賛できるところもある。システムとか演出とか演技とかテーマとか、創作ジャンルにもよるけど、要素にもいろいろある、っていうのは判るからだ。っていうのと、じぶんの「素敵ストーリー大好き!」っていう気持ち、および、ぜんぜんストーリーとか気にしない人がいる(人によって違う)、というような認識群を、うまく整理できてなくて、困っているのだ。
▼▼ロールプレイングゲームで、まったく台詞とか読まない人がいる。小説において、判りやすい事件、ドラマ、おおすじのストーリーのおもしろさ、なんていうのは小説の本質(?)じゃないみたいな話もあったりする。とにかくストーリー自体に惹かれるじぶんがいる時もあれば、キャラクターと設定とストーリー、それぞれが見せているおもしろさがうまく切り分けできないようなことだってある(ストーリーってどれのことだ? と困惑している瞬間がある)。まったくストーリーを読まない人の「ストーリー不要論」とストーリーに耽溺していることもあるっぽい雰囲気の人の「ストーリーとその他の要素を丁寧に腑分けした語り」の聞きかたの違い、聞こえかたの違い、創作ジャンルごとの「ストーリー」の扱いというか重きの置きかたの違い、なんていうような事柄たちが、ごろごろ混ざってきて、このあたり、どういうふうに「思っていればよい」のか、ここまできてもほんとうによく判らない、感じなのだ。