世界は称賛に値する

日記を書きます

職場最寄りの書店で買った

【1】創るセンス 工作の思考(森博嗣)

創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)

創るセンス 工作の思考 (集英社新書 531C)

 そもそも技術の神髄というものは、文章で説明ができないものである。逆に、文章化が本来できないようなもの、それこそが技術の核心的「センス」だともいえる。
 たとえば、剣術や舞踊などでも同じだろう。日本には茶道、武道、華道など、さまざまな「道」がある。これらも、大部分のノウハウが文章化できないはずだ。師匠について、長年の鍛錬によって躰で覚えるものだとされている。「技術」もまったくこれと同じ要素を持っている。だからこそ、文章化が無意味であり、見て、感じて、習得するものだ、という伝授方法が一般的に確立したのだろう。
 ただしかし、技術を「技道」にしない姿勢こそが「工学」「テクノロジィ」の基本である。20世紀の工学の発展は、まさにそこに特徴がある。それまで伝統的な「工芸」であったものを、「工学」として、教えることができるもの、伝えることができるものにした。

▼▼真剣真摯に好きなことを貫いている姿で背中を見せることこそが唯一可能な教育だろう、という言葉の意味が最近見ていてわかるかな。造る作る創るの話のようだ。

【2】嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん3

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)

 今日は二月十四日だった。
 朝方、マユの寝室で何気なく携帯電話の液晶を眺めて、日付が大脳を刺激した。
 付属してその日に宿る意味が引っ張り出される。
 確か、男女がカカオ混じりの黒色菓子を詰まらぬ物ですがと譲渡し合い、最終的にちちくり合えるかどうかで勝敗を決する国民的競技に興じる日だったな。細部は嘘だけど。

▼▼胸の奥で眠っているとすら表現できないくらい心の機微も存在も怪しくなって言葉全部が嘘かどうかの物差しの上に乗ってしまった人の話なんてほかにあったかなって思う。