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日記を書きます

哲学塾 もしもソクラテスに口説かれたら(土屋賢二)P.23

もしもソクラテスに口説かれたら―愛について・自己について (双書 哲学塾)

もしもソクラテスに口説かれたら―愛について・自己について (双書 哲学塾)

 うん。ソクラテスがこう言うんです。君は自分の手や足を使うだろう? それから、胃を使って消化するだろう? だから、君は手でもない、足でもない、胃でもない、胴体でもない。君は身体を使う。だから君と君の身体は違う。君はそういう付属物とは違う。ところで、ぼくは君の身体には興味がない。君自身に興味があるんだ。ほかの男はみんな身体目当てだけど、ぼくは違う。どっちの男を君は選ぶのか。そういう口説き方をしているわけですよね。そう言われたら心は動きますか?
 こういうふうな仕方で説得されたら、説得力はあるんじゃないの? これで説得されないんだったら、なぜ説得されないと思う?
――P.23