- 作者: 外山滋比古
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1986/04/24
- メディア: 文庫
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さきにものべたが、忘れられるのは、さほど価値のないことがらである。すくなくとも、本人が心の奥深いところでそう考えているものは忘れるともなく忘れる。いかに些細なことでも、興味、関心のあることは決して忘れたりはしない。忘れるとは、この価値の区別、判断である。
――P.120
▼思考の持つ幾多の側面を眺めている。整理している。整理されている、と思えた。得るものは実際かなり多かった。思考の性質について。思考の技術について。思考の洗練について。思考の価値について。忘却と睡眠と廃棄による思考整理、と、垣根を越えて専門を超えての知的饗宴、には特に惹かれるものがあった。触媒の項も強く意識させられた。