世界は称賛に値する

日記を書きます

幸せを願う賭けと侵食を願う希望

▼賭けだ。誰かの幸せを願うことはすべてそれだ。誰かの心は読めない。眼の前の人間の精神の動きは確定できない。だから、死ぬほど強く幸せを願っても、幸せを体感させる策なんて、確定できない。いくら頑張っても、確証が得られない。統計と推測と偶然くらいしかない。経験と帰納と運命くらいしか頼れない。だから頼って、決めるしかない。覚悟を。賭ける覚悟だ。賭けるに『ベットする』とルビが振りたかった、と思った。▼睡眠を取る。寝るのは好きじゃないかもだ、と考えた。ほかにやりたいことがあるからだ。別に睡眠が悪いとかではない。寝るのなんて無駄だとか思っているわけでもない。あくまで比較の問題に過ぎない。本を読みたい時に、サッカーをやらされていれば、本を読みたいなあと思う。サッカーよりは本が好きだと考える。なんて形で説明できる。▼読んでいたのは古川日出男『サウンドトラック』下巻だった。文庫版。侵食されるのを感じる。というか、侵食を許しているのを感じる。影響を受けているし、影響を受けようとしている。我が思考にこれがいる、と考えているようだった。あるいは、我が思考にこれがない、と感じているようだった。可能な限り多くの人間の世界観をトレースして、真似できるところは真似して、奪えるところは奪って、改善できるところは改善して、おのれというものを強化しよう、というような意識がずっとあって、消えない、し、消せない。消すべき必要にも出会えない。排除すべきなのかなあ、とはいつも問う。問うておきながら、真似と剥奪と改善を排除することで獲得できる価値、を見出せず、保留してしまう。