工学部・水柿助教授の逡巡 (GENTOSHA NOVELS)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2006/01
- メディア: 新書
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《90点》
そして、こうした他人の文化に触れると、瞬時にそれを消化してしまう。どういうことかといえば、つまり、同様の概念、同様の傾向、同様の視点で、自分の文化に取り入れられないか、と想像する。なにか応用できる形はないか、といろいろ考えてしまう。たとえば物語だと、頭の中で無数のパロディが出来上がるのだ。だが、それらの多くはものにならない。やはりバックボーンの違いだろう。どこかに無理が生じる。でも、そういった摺り合わせ作業の中に、将来的に発芽する種が蒔かれることだってあるだろう。うん、なんかそんな気もしてきた。