世界は称賛に値する

日記を書きます

工学部・水柿助教授の逡巡(森博嗣)P.126

工学部・水柿助教授の逡巡 (GENTOSHA NOVELS)

工学部・水柿助教授の逡巡 (GENTOSHA NOVELS)

《90点》

 そして、こうした他人の文化に触れると、瞬時にそれを消化してしまう。どういうことかといえば、つまり、同様の概念、同様の傾向、同様の視点で、自分の文化に取り入れられないか、と想像する。なにか応用できる形はないか、といろいろ考えてしまう。たとえば物語だと、頭の中で無数のパロディが出来上がるのだ。だが、それらの多くはものにならない。やはりバックボーンの違いだろう。どこかに無理が生じる。でも、そういった摺り合わせ作業の中に、将来的に発芽する種が蒔かれることだってあるだろう。うん、なんかそんな気もしてきた。