世界は称賛に値する

日記を書きます

思考の型

▼思考は好きだ。けれど、まだ全然駄目だよな、とはすごく思う。明らかに踏み込めていない領域があるからだ。最近は稲葉振一郎氏の『経済学という教養』を読んでいる。読みながら、思考をうまく使えばこういう切り込み方もできるんだなあ、という驚きを感じている。鋭い思考を見るたびに覚えさせられる驚嘆だ、と言っていい。驚嘆を覚えて、これがまだ私には足りないんだよなあ、なんて悔やんでいるわけである。こういった悔やみがある限り、満足できるくらいきちんと思考できるようになった、と思える日はやってきそうにない。▼問題点は『型』の習得の未熟さにあるんだろう、と考えている。学びきれていない『型』がある、と判断しているわけだ。現状だと私は特に『人文系の型』を苦手としているらしい、と考えていたりもする。おそらく『人文系の型』を見せてくれる思考にあまり触れてこなかったせいだろう。無論哲学は好きなのだが、哲学は『人文系の型』をほとんど使っていないように思える。論理による解体が主であり、それはたぶん、『人文系の型』ではない、からだ。▼ひさしぶりに碁を打とうぜえ、と友人を誘ってみた。勤務を終えたカズ氏と池袋で合流し盤を挟んで対峙する。二度目の勝負であった。最初の勝負のときはいまいちルールを理解していなかった。いちおう『囲めば取れる』ということだけは把握していた。が、最終的に狙うべきはなんなのか、が不明瞭だったのだ。わけのわからない動きを見せていたはずだ、と思い返す。軽く修行を積んでみて、なにを狙えばいいか、は理解できたように思う。目的に即した選択理念もおおまかには構築できた。残念ながら結果は敗北であった。けれど、前回と違って勝負になっていた。おもしろかった。