世界は称賛に値する

日記を書きます

我が絶望つつめ緑(秋田禎信)

我が絶望つつめ緑―魔術士オーフェンはぐれ旅 (富士見ファンタジア文庫)

我が絶望つつめ緑―魔術士オーフェンはぐれ旅 (富士見ファンタジア文庫)

P.16

「信じるものに裏切られ、悲鳴をあげる者がいる。それは無意味なんだ。もとよりそれが信ずるに値するものではなかったと、それだけのことなのだよ。そして、信じて良いものなど、この世界には存在しない」
「信じられるものならあるぞ」
 マジクはあたりを見回しながら、荒い呼吸をなんとか落ち着かせようと胸をなでた。じっとりと汗ばんだ肌に、服がこすれる。
「ぼくは魔術士だ。お前が姿を見せたら、全力で撃ち込んでやる」
「それで、俺を倒せることを信じるというわけか? ふん、いいだろう……いい答えだと思う」