世界は称賛に値する

日記を書きます

やったらやり返される

 やったらやり返される。なぜなら、相手に正当化の根拠を与えてしまうからだ。そしてそれは、つまり、やられたのと同じことならやり返してもいい、とか、やられたのと同じことであればやり返しても許される、といった理屈を妄信している人が多い、ということを意味している。大抵の人間は、なぜだかみんな、やられたのと同じことであればやり返すことは間違いじゃない、というルールを信奉しているように思えるのだ。だが無論、実際にはそんなルールなんてない。やられたらやり返していい、というルールを認めてくれる根拠などどこにもない。おそらくは処世術のようなものなのだろう、と思う。単に、そういう前提が共有されていればみんなが比較的ラクに生きていくことができる、ということなのだと思う。かつて『シャーマンキング』という漫画が好きだったのは、あの漫画がそのことを改めて見つめ直した漫画だったからだ。主人公の麻倉葉のユルさは、やったらやり返される、という理屈に取り込まれないためのスタイルだったのだ、と思うし、後半になって戦いが中途半端になっていったのは『だったらやらないようにすればいい』という方法論でその理屈を超越しようとしていたからなんだろうな、と考えている。