世界は称賛に値する

日記を書きます

俯瞰する世界観

 吉野源三郎の『君たちはどう生きるか』という本の序盤に、コペル君(主人公)と彼の叔父さんがデパートの屋上から街を見渡す、という場面がある。そこでコペル君は街を俯瞰しながら、その景色の中で動きまわる人間たちを見て考えたことを叔父さんに話す。その場面、その光景のことを、唐突に思い出した。そして思った。もしかしたら私は、その場面を読みながら想像した光景の影響を、ものすごく受けているのかもしれない。あの時期の私がその景色を想像しえたことは、私の人生にとって想像以上に大きな出来事だったのかもしれない。そう思ったのだ。そしてこれが系譜学的思考かな、とも思う。