《★★★★》
- 作者: 深町秋生
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2005/01/27
- メディア: 単行本
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「殺したりはしない。ぼくがやられたようには、やり返したりもしない。だけど見るべきなんだ。ぼくと同じように。この世界が壊れていくところを」
――P.341
▼闇と光というか。暴虐と愛情というか。人間を破滅に導くモノ、と、人間を救いに導くモノ、の区別について、最近は頻繁に考えてしまう。明確な境界線なんてあるのかな、とか思うようになってしまったからだ。けど、救済と破滅と呼べるものがあるのなら、確率論として『導きやすいもの』もありうるのだろうな、とは思える。だから、ないとは言えないのだろう、とも思う。闇が嫌いだ。敵だと認識している。破滅が嫌いだからだ。破滅する人間を見るのも不快だからだ。なきゃいいのに、なんて無茶なことすら思う。が、嫌がっていてもあるものはあって、眼を逸らしていたら対決することすらできない。いつか押し切られてしまうだけだろう。というような理屈を持ち出して『闇』を認識するようにしているところがあるのだけど、誤謬や欠陥があることも推測してはいる。簡潔に言うなら、正面対決して勝利する、を前提にしているところが危うすぎると思うのだ。闇と向き合うもっと有効なスタンスがあるはずだと思うのである。探索中だと言える。読書内容から離れてしまった。闇と愛について考えた。単純化しようとしすぎだな、と反省しつつ。