世界は称賛に値する

日記を書きます

サウンドトラック 下(古川日出男)

サウンドトラック〈下〉 (集英社文庫)

サウンドトラック〈下〉 (集英社文庫)

 本性を花開かせろ、お嬢。行動がお前の映像の戦術になる。やがて戦略になるだろう。やがて、動かないことも「行動(アクション)」と理解されるだろう。その時だ。お前は圧倒的な誠実になる。その時だ。お前は圧倒的に卑劣にもなれる。
 こびる必要のない一切に対して。
「いいね」とレニはいう。ハードな指導の合間に。「あたしは卑劣になるのが、夢よ」
――P.92