- 作者: J・モーティマー・アドラー,V・チャールズ・ドーレン,外山滋比古,槇未知子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1997/10/09
- メディア: 文庫
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P.172
1 分析読書の第一段階
――何についての本であるか見分ける――
(1)種類と主題によって本を分類する。
(2)その本全体が何に関するものなのかを、できるだけ簡潔に述べる。
(3)主要な部分を順序よく関連づけてあげ、その概要を述べる。
(4)著者が解決しようとしている問題が何であるかを明らかにする。
2 分析読書の第二段階
――内容を解釈する――
(5)キー・ワードを見つけ、著者と折り合いをつける。
(6)重要な文を見つけ、著者の主要な命題を把握する。
(7)一連の文の中に著者の論証を見つける。または、いくつかの文を取り出して、論証を組み立てる。
(8)著者が解決した問題はどれで、解決していない問題はどれか、見きわめる。未解決の問題については、解決に失敗したことを、著者が自覚しているかどうか見定める。
3 分析読書の第三段階
――知識は伝達されたか――
A・知的エチケットの一般的心得
(9)「概略」と「解釈」を終えないうちは、批評にとりかからないこと。
(「わかった」と言えるまでは、賛成、反対、判断保留の態度の表明をさし控えること)
(10)けんか腰の反論はよくない。
(11)批評的な判断を下すには、十分な根拠をあげて、知識と単なる個人的な意見を、はっきり区別すること。
B・批判に関してとくに注意すべき事項
(12)著者が知識不足である点を、明らかにすること。
(13)著者の知識に誤りがある点を、明らかにすること。
(14)著者が論理性に欠ける点を、明らかにすること。
(15)著者の分析や説明が不完全である点を、明らかにすること。
〈注意〉12・13・14は、反論の心得である。この三つが立証できない限り、著者の主張に、ある程度、賛成しなくてはならない。そのうえで、15の批判に照らして、全体について判断を保留する場合もある。