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「1」『デザインの生態学』

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

デザインの生態学―新しいデザインの教科書

 デザインという言葉から、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。デザインとは、表面を装う装飾的な意匠のことであり、論理的な思考ではなく、感性によって決定されるうつろいやすい世界を生み出すことである。そんな風に考えられがちではないだろうか。論理と感覚、心と身体、構造と表層。私たちはとかく物事のなり立ちを二分法で考えることに慣れている。デザインという行為は、身体の感覚を通して、色やイメージを扱ってもの作りを行なうことだから、論理化されにくい部分にダイレクトに関わっていることは確かである。
 しかし、作られたものたちを詳細に観察してみると、そこには驚くほど濃密な思考が凝縮されていることに気づかされることがある。作るという感覚的な行為の一つひとつに、論理的な判断が組み込まれている。機能や使われ方、素材の特性など、さまざまな与条件を関わり合わせ、あたかも与条件を織り合わせた織物のようにして、かたちが結実する。人の心を動かすものであればあるほど、こうした感覚と論理がぶつかり合うプロセスが、透かし見えるような気がするのだ。感覚と論理の二分法を再編成するような行為として、デザインの領域が広がっているように感じられる。
 この書物は、身体を用いて感覚と論理を再構築する行為としてデザインを捉えた上で、実際にデザインという行為へと導いていくことを目指している。デザインは実際に経験することを通してしか理解できない性質のものだ。理論によっていかにデザインを理解したとしても、それが行為の次元で結実しなければ意味がない。身体の中に経験として理論が注ぎ込まれて初めて、デザインという行為が確かなものととして習得されるわけだ。この書物は、デザインという行為を身体に注ぎ込んでいくためのガイドブックになるだろう。だからこの書物は、デザインすることに直接役立つものでありたいと願っている。では、ひとつの書物がデザインすることに直接役に立つとはどういうことだろうか。

▼▼国立新美術館の図書室で読んで衝撃を受けて、要するに、衝動買いである。教科書を目指している、って指向があって、なので、基礎語りが軸にありつつ、けど目から鱗だらけで、あと、著者三名の専門領域が違うせいで、深謀で熟慮な試行錯誤や相談が見え隠れしていたりもする。正直な意見として、教科書として授業を受けてみたいなー……、なんて、軽くうっとりできるものに見えた。論理と感覚、肯定と否定、織物として。的な。