思考昂揚の処方箋

▼精神は肉体の影響を受ける――思考は活動の影響を受ける。という行動則があることを信じている。信念にしている――信条にしている。▼憂鬱な気持ちの時に無理矢理笑顔を浮かべてみせたりすると意外に明るく昂揚したりするものだ、なんて理屈を初めて聞いた時には、正直かなり驚いたものだった。物凄く意外だったからだ。おのれの意識や思考を可能な限り変幻させてみて、確かに人間の精神にはそういう性質があるのかも、なんて感じることができた時には、驚きどころか呆れすら感じてしまったものだった。意外すぎたからだろう――意外なほど単純すぎたからだろう。単純なことなのに気がつくことができなかった、なんて無能に対する悔しさなんかもあったのだと思う。▼無論構築されてきた精神の形状にもよるとは思うのだけど、憂鬱な気分の時に無理矢理明るく振る舞うと行動の明るさに釣られて気分も明るくなってしまう、という戦術は、自分の場合、間違いなく有益かつ有用なものだった。間違いなく『驚くほど役に立つ行動則』だったのだ。だから物凄く活用してきた、し、物凄く活用している、のだけど、最近は効果が薄れてきた気配を感じていたりもするのだった。耐性がついてしまった、ということなんだと思う。おそらくは『明るく振る舞う』のがワンパターンすぎたのだろう。要するに単調すぎて慣れてしまったのだ。ゆえに、処方箋を変更せねばなあ、とか最近は考えているのだった。