世界は称賛に値する

日記を書きます

僕らはどこにも開かない(御影瑛路)

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

 この年頃の人間は自らを否定されることを何よりも恐れる。自分が自分であろうとし、それ故にありきたりの張りぼてになっていることを指摘されることを、何よりも恐れる。そして彼女は間違いなく、客観的に見られた際に否定されてしまう人間だ。
 もちろん、他でもない彼女自身にも。
 彼女は客観的に自分を見たときに、自身を否定してしまうほどには賢く、そして愚かだった。