- 作者: 清水マリコ,toi8
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2004/07
- メディア: 文庫
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話す相手を間違えたかもしれないと思った。といっても、明智のほか誰に昨日の変なことを話せばいいのかわからなかった、女の子の友達はみんないい子だけれど、なんというか物事をまったく現実的にとらえるタイプか、ひどく飛躍的にとらえるタイプのどちらかに思える。トオの話をしたらみんなまずひどく怖がって、現実的な子は警察に訴えるべきだとか、先生に相談したほうが、などと言い、飛躍する子はすごい勢いで「謎の偽スクールバス事件」などとして、ことの噂を広げるだろう。どちらも、めぐみが望まない展開だ。
――P.53
▼問題を認識するとして。問題だと認識することは同じであっても、問題に向かう流儀は違ってしまうかもしれない。問題の捉えかたの違い、だ。たぶん『解決の望みかた』の差が関係するのだと思う。問題は『解決されうるもの』だからだ。望まないことも含めて。