世界は称賛に値する

日記を書きます

これで会議を終わる

▼駅の階段は見慣れたものだった。見慣れてしまったな、と最近は時おり考える。以前の視界と現在の視界をなんとなく比較してしまう瞬間があるのだ。明確な違いを感じることも多くなった。階段を降りると目の前にはマクドナルドがあって、マクドナルドの隣には微妙な古本屋があったりもして、眼前の光景を『新鮮な光景』として認識していたことも間違いなくあった。けれど、当然のように新鮮さを感じなくなった。きちんと注意を払わなければ『概念』を利用して眺めてしまうようになったのだと思う。とはいえ別に、だからいやだ、なんて思っているわけではない。嫌いなどではない。悪いことばかりではないからね、と呟く人格がいて、しょうがないことじゃんね、と呟く人格もいる。肩を竦めて短く息を漏らす。まあアリかな、と思った。思いながら店舗まで戻った。会議終わりだ。