向上心のないものはばかだ

 向上心のない者は馬鹿だ。という台詞を高校時代の国語教師が時おり言っていた。なぜか強く憶えている。夏目漱石著『こころ』からの引用である、ということはあとになってから知った。実際に『こころ』を読んで、これから取ったのか、と思ったのだった。夏目漱石氏の著作は素敵だ、ということを知ったのも、だいぶあとになってからだった。現在の私の状態をひと言で言うなら、向上心が大好きだ、というような状態なのだと思う。いわゆる『向上心』というやつを心に置いてみると、世界が物凄く楽しめるようになる、ということを知ってしまったからだ。つまり、あなたといると世界が輝いて見えるんだ、という口説き文句のような気持ちを、向上心に対して感じてしまっているのである。はっきり言ってベタ惚れだ。おそらくもう離れられないんだろうな、とか笑いながら思う。