ホンモノの思考力 ――口癖で鍛える論理の技術(樋口裕一)P.25

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)

ホンモノの思考力―口ぐせで鍛える論理の技術 (集英社新書)

《85点》

 気分によって、考えるべきことを考えなかったり、余計なことを考えたりするのでなく、きちんと手順を守り、遺漏なく考えるべきことを考え、妥当な結論を導き出すのが、論理的に思考するということだ。そのためには、「型」が有効だ。「型」という手順に沿って考えることによって、論理を守ることができる。
 もちろん、「型」を守りさえすれば論理的になるわけではない。論理矛盾や飛躍が生じることはある。だが、少なくとも、論理的に考えるための一つの要素を満たすことにはなる。その意味で、「型」を守ることは、論理的に思考するためには、きわめて有効だと言えるだろう。
 しかも、その形式を守って思考すれば、論理的に思考することができるだけでなく、自分らしく考えることができる。もっとはっきり言えば、「型」を守ってさえいれば、かなり個性的なことを考えても、客観性を保てるということだ。
「型」を守ると、没個性になると思われがちだが、私はむしろ逆だと考える。個性的なことを考えると、どうしても論理を逸脱し、辻褄が合わなくなり、主観的になっていく。だが、「型」を守って手順を重視すると、そうしたことからまぬがれる。安心して個性的なことを盛り込むことができる。その思考は客観性を持つことになる。