抽象的な配置や図柄から始めてほしい
エッセイのはじめの一文は、ほんのり抽象的で、つかみづらいくらい解釈がねじくれている(と感じられるくらい、書き手の感性と嗜好に寄りかかりすぎている)ものが好きかな、って思った。「つかみ」のよい、断言や説明みたいなものが、初っ端にまず置かれているパターン(インパクト勝負の一文目、続いてそれを解説していく二段落目というパターン)は、あんまり好きじゃない気もする。
具体的な光景よりは、どちらかといえば、抽象的な図柄が見たい。そういうものに魅せられていることが多い。正確に言うなら、それらが適度な比率で混ぜ合わされたやつが、最も好きっぽいかな。特に、抽象的な図柄の割合が濃いほど、性には合う。意識の内側で蠢く、解釈・分析・論理の、属人的な躍動と、それと並行して進められる、具体的な出来事の描写が、居心地のよさや手ざわりのよさを倍増させてくれる印象だ。そんな話の始まりかたが、とても好きである。