ビジネス的とりまとめも教えてもらえるのはありがたい
"たったひとつの冴えたやりかた"はないにせよ、"かなりオススメのやりかた"なら、誰も彼もたくさん所有している印象だ。いくつもの修羅場を乗りこえてきた打ち手や指針が、ほうぼうで紹介されている。間違いのない成功がこの先にあるのだと、余計な期待までおっかぶせてしまうような思考停止のリスクさえ取り除いておけば、洗練させられてきた定石・手法・案内は、かなり役に立つ。役立たせられることが多いみたいである。といった視点で、ビジネスにかかわる理論や理屈を眺められるようにはなった。
うまく認識できていなかったポイントを、わかりやすくリスト化してくれているだけで、正直、ビックリするくらい役に立つ。というか、全方位に向かって自分ひとりでそれを完結させるのは厳しい。いろいろ足りない。だいたい中途半端になる。人間のおこなうピックアップやリストアップ、チェックは、思いのほか"抜け"るため、その隙間をしっかり埋めてくれる教えは、だいたい素敵である。かたくなになって、はねのける必要はない。
結論から話すも気づけなかった
ビジネスコミュニケーション(時間がかからないようにして、「聞いてなかった」と言われるリスクも減らし、互いの認識にズレのない状態を目標とする、そんなやりとり)においては、「結論から先に話す」を心がけておいたほうが、基本的によい(だいたいだが、オススメだ)。なんてこと、たとえば言われなかったら気づかなかったと思う。
より正確を期すならば、「結論から話す」といった手法が肝要なわけでもない。ポイントはあくまで、「話を聞く側に、必要な注意を向けさせる」「適切な心構えをしてもらう」「どこに向かう話か、見当がついていたほうが、ひとは話を取り落とさない」といった前提条件にある。「人間の有する認知の特性を踏まえて、事前に対策する」ところにある。
特性を踏まえるなら、話をしようとしたときは予告めいたフリをしておいたほうが成功率が上がるし、どこに向かうか示さずにフラフラと話を進めていくと、取りこぼされるリスクが高まる。このあたりの状況も、教示してもらえる機会がなければ、たぶん気づけなかっただろうな、って思った。
疑わしい理屈も跋扈しているが
たしかに、それっぽく聞こえるだけの、疑わしい(いってしまえば、装飾的な言い回しだけで誤魔化して金を稼ごうとしているだけの)、実際はどうとても言えるような言説も、跋扈してはいるようだから、一定の警戒心はもっていたほうがよいんだと思う。しかし、だからといって、助言ぜんぶを切って捨てるようなことはせんでもよいだろう、とも思う、そのあたりが現状認識だ。見極めの難しさはあるし、勢いに乗せられてしまう癖だってないとは言い切れないため、ためらうところはあるが、スタンスはそんな感じだ。
別に、簡潔明瞭な唯一解じゃなくても、ある程度、有効な局面があった手立てやコツや工夫を教えてもらえれば、ありがたい。たしかにね、なるほどね、厳密に考えたらそこまで考えておいたほうがよいさそうだし、ひとつ掘り下げてみせるなら、そのあたりが根本や本質に近づいた話になるんだろう、とは思えることもあるから、そういった理解の「進み」は、大切にしたい。精査しつつも、機会を活かしたい。うわっつらのノリのよさには流されないようにして、という戒めはほんとうに心にいだきつつ進めたいが。