世界は称賛に値する

日記を書きます

物語シリーズ最終巻(終わるの?)『続・終物語』

続・終物語 (講談社BOX)

続・終物語 (講談社BOX)

 阿良々木暦にまつわる物語はご存じの通り、終わりを告げた。それについてつけ足すことは特にない。色々解決したし、色々解決しなかった。将来へと持ち越したものもあるけれど、それだって一区切りついたことに変わりはない。光があれば影が差すよう、始まりがあれば終わりがある。そして終わりがあるから、また始まりもあるのだ──影があるとき、必ずしもそこに光があるとは限らないけれど。その場合は影ではなく、あるいは闇と言うべきか? まあ、いずれにせよ、一寸先が闇であるなら、既にそこは闇だろう。
──P.10

▼▼物語シリーズ最終巻、と言えるのかな? まあ『終物語』と『続・終物語』を同時に刊行発表してたあたりから好ましかったし楽しみにしてた。まあまあ変則的なのも織り交ぜつつうまいこと伏線回収していくし、途中途中で抱いていた破綻の危うさからの微妙さが、シリーズを読み進めるうちに、着実に払拭されていって、結果的に、非常に好きな物語だ、と言えるものになっていた。
▼▼話運びがうまい、物語りがうまい、って言葉は。少し似合わないのだよなー。違和も無駄もなく安心して読める雰囲気、というか、文句のない安定性、のようなものは、嗅ぎ取れてないせいだろう。無理矢理運んでいるように見えるのに、負荷や不安定の雰囲気はぜんぜんなくて、何この技術……、あたりが妥当? でも贔屓目な気もしてきた。